ワイド団信の審査に落ちたときの対処法を6つ紹介します

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ワイド団信の審査に落ちても、住宅ローンを組む道は残っています。金融機関を変えての再申し込み、団信加入が任意のフラット35への切り替え、収入保障保険による代替など、選べる手段は一つではありません。持病があるからといって住宅購入をあきらめる前に、原因の整理と選択肢の比較を先にしておきたいところです。この記事では、ワイド団信で審査落ちが起きる理由と、実際に取れる対処法を具体的に見ていきます。

目次

ワイド団信は高血圧やうつ病でも加入できる可能性があります

ワイド団信とは、正式には引受条件緩和型団信と呼ばれる保険です。通常の団体信用生命保険よりも告知項目が絞り込まれていて、高血圧や糖尿病、肝炎、うつ病や適応障害といった精神疾患、心疾患の既往歴がある人でも加入できる可能性があります。通常の団信であれば健康告知の内容だけで機械的に謝絶されてしまうところを、ワイド団信では治療の経過期間や投薬内容を個別に確認したうえで、条件付きで引き受けてもらえることがあるのです。

金融機関によっては、高血圧や軽度のうつ病について通院中でも加入を認めていますし、糖尿病についても血糖値のコントロールが良好であれば通ることがあります。ただし、これは「どんな健康状態でも必ず入れる」という意味ではありません。病気やケガの種類、重症度、経過期間によっては、ワイド団信であっても謝絶されます。加入できる年齢の上限も通常の団信より低めに設定されている金融機関が多く、高齢での借り入れでは選択肢がさらに狭くなります。しかも審査基準は金融機関ごとに非公開なので、ある銀行で断られても別の銀行では通るということが普通に起こります。

審査に落ちる原因は病状と告知内容の両方にあります

同じ糖尿病という告知内容でも、血糖値のコントロール状況や合併症の有無、インスリン治療をしているかどうかで評価はまったく変わってきます。合併症がある場合や治療を始めてからの期間が短い場合は、ワイド団信でも謝絶される可能性が高くなります。うつ病や適応障害についても、症状の重さや通院頻度、休職歴、服薬内容が総合的に見られ、休職期間が長かったり症状が安定していないと判断されたりすると通りにくくなります。

年齢の壁も無視できません。借入時の年齢や完済時年齢が金融機関の設定する上限を超えていると、健康状態にかかわらずそもそも加入できないことがあります。そして意外と見落とされがちなのが告知内容そのものの精度です。故意でなくても必要な情報を書き漏らすと、審査担当者が正確にリスクを評価できず、慎重な判断に傾いて謝絶につながります。逆に正確かつ詳しく書けたことで、想定より軽いリスクだと判断されて通過する例も実際にあります。金融機関ごとに提携している保険会社が異なるため、同じ病歴でもA銀行では断られ、B銀行では通ったという話は珍しくありません。

審査に落ちた直後は、まず「なぜ落ちたのか」を整理したくなりますが、団信の審査基準は非公開なので、謝絶理由が詳しく開示されることはほとんどありません。それでも、告知したどの部分がネックになりそうか、担当者やファイナンシャルプランナーに相談すればある程度は推測できます。あわせて、告知内容に曖昧な書き方がなかったか、必要な検査データや診断書を添付できていたかを振り返っておくと、次の一手を考えやすくなります。

対処法1:金融機関を変えて再申し込みすると通過することがあります

ワイド団信の審査基準は金融機関ごとに異なるので、ある銀行で謝絶されても別の金融機関では加入できることがあります。特にネット銀行や労働金庫は、比較的柔軟な審査基準のワイド団信を扱っていることで知られています。再申請の際に、前回の告知内容を見直し、診断書や直近の通院記録、検査結果などの補足書類を添えると、審査に通過するケースが多く見られます。

ただし、短期間に何行も同時並行で申し込むのはおすすめできません。申込内容が金融機関間で共有されるわけではありませんが、書類の準備や説明対応が煩雑になり、結果としてどの申し込みも中途半端になりがちです。まずは1行に絞って丁寧に対応し、それで難しければ次を検討するという進め方のほうが現実的です。

対処法2:完治から数年の経過期間を置いて再チャレンジします

病状によっては、治療の経過期間が審査結果を大きく左右します。手術後5年以上、完治から3年以上といった経過期間を目安にしている金融機関もあります。今回は経過期間が足りずに謝絶された場合でも、時間を置いて再度申し込めば、次は条件を満たして通ることがあります。焦って何度も申し込むより、主治医に完治の見込みや今後の治療方針を確認して、いつ頃再申請するのが妥当かを相談したほうが結果的に早道になることもあります。

対処法3:団信加入が任意のフラット35という選択肢があります

民間金融機関の住宅ローンでは団信への加入がほぼ融資条件になっていますが、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携するフラット35は、団信への加入が任意です。ワイド団信を含めどの団信にも加入できなかった場合でも、フラット35であれば団信なしで住宅ローンを組めます。

団信に加入しない場合、借入金利が引き下げられます。目安として年0.2パーセント程度引き下げられるケースがあり、団信の保険料相当分を金利に転嫁しない分だけ月々の返済額が抑えられます。ただし、団信に加入しないということは、契約者が死亡したり高度障害状態になったりしても、ローンの残債がそのまま残るということです。万が一の際には家族が返済を引き継ぐことになるため、収入保障保険など民間の生命保険で備えを補っておくことが強く勧められます。

対処法4:収入保障保険で団信の代わりの保障を用意します

団信に加入できない、あるいはあえて加入しない場合の代替策として、収入保障保険が挙げられます。契約者が死亡または高度障害状態になったとき、遺族が毎月一定額の保険金を年金のような形で受け取れる掛け捨て型の生命保険です。ローンの残債が減っていくのに合わせて保険金の総受取額も減っていく仕組みの商品が多く、団信と似た機能を持たせやすいという特徴があります。

年齢が若く健康状態が比較的良好であれば、民間の生命保険会社で収入保障保険に入ったほうが、団信よりも保険料が割安になることもあります。持病があっても、告知内容次第では加入できる保険商品や、引受基準緩和型の生命保険が存在するので、複数の保険会社やファイナンシャルプランナーに相談し、自分の状況に合った保障を組み合わせてみてください。

対処法5:配偶者名義やペアローンで審査自体を回避します

本人がどうしても団信に加入できない場合、住宅ローンの契約形態を見直す方法もあります。配偶者など健康状態に問題のない家族を主たる債務者として契約し直せば、団信の審査自体を回避できます。夫婦それぞれが債務を負う連帯債務型のローンを使えば、どちらか一方が団信に加入できていれば、その人が死亡・高度障害となった場合の残債部分を保険金で完済できる仕組みも作れます。ただし連帯債務型のローンを扱っている金融機関は限られていますし、収入合算の条件や税務上の扱いなど確認すべき点も多いので、事前に金融機関やファイナンシャルプランナーへの相談が欠かせません。

夫婦で住宅を購入するなら、ペアローンも選択肢に入ります。夫婦や親子など2人がそれぞれ主債務者となり、同じ金融機関から個別に借り入れる仕組みで、各自が自分の借入額に応じて別々の団信に加入できます。夫は持病がなくがん団信を選び、妻はワイド団信でしか入れない、といった組み合わせも可能です。片方が一般団信の審査に通らなくても、もう片方が問題なく加入できれば、少なくとも一部の借入分については保障を確保できます。夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合に、夫婦それぞれの残債務がまとめて保障される連生型団信という商品もあり、ワイド団信でしか入れない夫婦向けに連生型を用意している金融機関もあるので、確認してみる価値はあります。

なお、ペアローンは名義上2本の住宅ローン契約を結ぶ形になるため、印紙税や登記費用、金融機関の事務手数料などの諸費用が、単独名義でローンを組む場合のおおむね2倍程度かかります。健康状態以外の理由、例えば1人分の収入では希望する借入額の審査基準を満たせない場合にもペアローンは有効ですが、諸費用の増加分も含めた総支払額で比較したほうがいいでしょう。

対処法6:告知書はできるだけ詳しく書き直します

審査に落ちた原因が告知内容の不備や説明不足にありそうな場合は、次回の申し込みで告知書の書き方を見直す価値があります。病名や治療内容を曖昧にせず、いつからいつまでどのような治療を受け、現在はどのような状態にあるのかを具体的に書きます。可能であれば主治医に診断書を作成してもらい、病状が安定していることや日常生活・就労に支障がないことを客観的に示す資料を添えるといいでしょう。

告知書を書くときに大切なのは、質問された事柄をありのままに答える姿勢です。そのうえで、できるだけ細かく具体的に書くことが審査を通りやすくするコツにもなります。服薬中の薬があるなら、薬の名前や種類、服用量、頻度まで具体的に書いたほうが、保険会社側もリスクを正確に判断しやすくなります。逆に「3ヶ月に1回薬をもらっている」というような曖昧な書き方をすると、実際には症状が落ち着いていて頓服的に受け取っているだけでも、継続的に服薬している状態だと誤解されかねません。通院や服薬の実際の頻度、症状の現在の程度を具体的に記載し、誤解の余地を減らしておきましょう。

どの項目にどこまで書けばいいか迷ったら、自己判断で済ませず、住宅ローンを申し込んでいる金融機関の担当者に確認してください。担当者は過去の告知事例を踏まえたアドバイスをくれることが多く、書き方一つで審査結果が変わることもあります。

一方で、審査を通したいがために病歴を偽ったり、重要な事実をわざと告知しなかったりすることだけは避けてください。これは告知義務違反にあたり、あとになって重大なリスクを背負うことになります。

告知義務違反は保険金請求の段階で発覚しローンだけが残ります

告知義務違反が発覚するきっかけとして多いのは、保険金請求の段階での調査です。保険会社が健康保険の受診履歴や病院のカルテを照らし合わせた結果、告知していなかった通院歴や病歴が判明します。つまり契約者が死亡したり高度障害になったりして、いざ家族が保険金を請求しようとした段階で発覚することが多く、その時点ではもう手遅れです。

告知義務違反が認定されると団信の契約が解除され、当然ながら保険金は支払われません。住宅ローンの契約者が死亡していても残債はそのまま残り、遺族が返済を続けなければならなくなります。本来団信が守るはずだった事態が、そのまま起きてしまうわけです。違反の内容が重大かつ故意性が高いと判断されれば、金融機関から住宅ローン残高の一括返済を求められることもあります。

一般的には、加入から2年以内に発覚した場合に契約解除の対象となることが多いとされていますが、隠蔽の悪質性が高いと判断されれば2年を過ぎていても契約が取り消される可能性があります。契約成立後に告知内容の誤りに気づいた場合は、自主的に申告することで訂正できることもあるので、心当たりがあれば早めに保険会社や金融機関に相談してください。事実と異なる告知は、短期的に住宅を購入できたとしても、将来的に家族に大きなリスクを負わせることになりかねません。

ワイド団信の金利上乗せは年0.2〜0.3パーセントが相場です

ワイド団信に加入する場合、通常の団信より金利が上乗せされるのが一般的です。金融機関によって差はありますが、年0.3パーセント前後を上乗せするところが多く、年0.2パーセントに抑えている金融機関もあります。上乗せ幅がわずかに見えても、長期の住宅ローンでは総返済額への影響は小さくありません。借入額3500万円、返済期間35年、元利均等返済という条件で試算すると、金利が0.3パーセント上乗せになった場合、月々の返済負担がおおむね4000円から5000円程度増え、総返済額では約180万円増えるという試算もあります。

そのためワイド団信を選ぶ際は、上乗せ幅だけでなく、その金融機関のベースとなる住宅ローン金利自体の水準も含めてトータルで比較したほうがいいでしょう。ベースの金利が低い金融機関であれば、ワイド団信に加入して金利が上乗せされても、他行の通常団信付きローンより総支払額を抑えられる場合があります。

団信の主な種類とおおよその金利上乗せ幅を整理すると、次のようになります。

団信の種類保障の対象金利上乗せの目安
一般団信死亡・高度障害上乗せなし(金利に含まれる場合が多い)
がん団信がんの診断確定年0.1〜0.2パーセント
3大疾病保障団信がん・脳卒中・急性心筋梗塞年0.3パーセント前後
8大疾病保障団信3大疾病+高血圧症・糖尿病・腎疾患・肝疾患・慢性膵炎年0.3パーセント前後
ワイド団信引受基準を緩和した幅広い持病年0.2〜0.3パーセント

団信にはがん団信や8大疾病保障など複数の種類があります

団信と一口に言っても、実際には複数の種類が存在します。最も基本的なのは、死亡または高度障害状態になった場合にのみ保険金が支払われる一般団信です。これに加えて、特定の病気になった場合にも保障を受けられる疾病保障付団信があり、代表的なものに3大疾病保障と8大疾病保障があります。3大疾病保障はがん、脳卒中、急性心筋梗塞に罹患した場合に住宅ローン残債が保障される仕組みで、8大疾病保障はこの3つに加えて高血圧症、糖尿病、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎の5つを保障範囲に含めています。

がんという病気に特化したがん団信も広く使われています。がんと診断確定された時点で住宅ローンの残債が保障される仕組みで、適用基準が明確でわかりやすいのが特徴です。保障範囲によってがん団信100パーセントとがん団信50パーセントという商品があり、診断確定時に残債の全額が保障されるか半額が保障されるかで金利の上乗せ幅も変わってきます。

ワイド団信で審査に落ちた人の中には、そもそも一般団信や疾病保障付団信の審査自体に通らなかったというケースが多く見られます。その場合はまずワイド団信への加入を検討し、それでも難しければフラット35や生命保険による代替策を検討するという順序で進めるのが一般的な流れです。ワイド団信と同じ発想の保険商品として、生命保険や医療保険の分野には引受基準緩和型保険というジャンルもあります。持病や既往症があっても告知項目を絞り込むことで加入しやすくした保険商品の総称で、糖尿病、高血圧症、うつ病、脳卒中、心臓病、肝炎、ぜんそくなど幅広い持病を抱える人でも、告知内容次第では加入できる可能性があります。

団信の審査落ちは住宅の売買契約にも影響します

不動産の売買契約には、住宅ローンの審査に通らなかった場合に契約を白紙解除できるローン特約が定められていることが多くあります。団信の審査に落ちたことが原因で住宅ローンの本審査自体が否決された場合も、この特約の対象になり得ます。ローン特約の期日内に融資が否決されれば、買主がすでに支払っていた手付金は無利息で全額返還されるのが一般的な扱いです。

ただし、団信の審査に落ちても、フラット35など団信への加入が任意の住宅ローンに切り替えれば融資自体は実行できるケースがあります。その場合はローン特約による契約解除には至らず、そのまま住宅の購入を進められる可能性があります。売買契約を控えている段階で持病があることがわかっているなら、あらかじめ不動産会社や金融機関に相談し、団信の審査に落ちた場合の対応方針やローン特約の期日、代替となる住宅ローンの選択肢を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

住宅購入の計画自体を見直すという選択肢もあります

ここまで、住宅ローンを組んで住宅を購入することを前提に対処法を紹介してきました。ただ、どうしても団信に加入できず、フラット35や生命保険による代替策を組み合わせても本人や家族が安心できる資金計画が立てられない場合は、住宅購入の計画自体を一度見直すという選択肢も考えられます。

無理に持ち家の取得にこだわらず、当面は賃貸住宅に住み続けながら治療を続け、病状が安定してから改めて住宅ローンや団信の審査にチャレンジするという考え方も、選択肢の一つとして持っておいていいと思います。住宅の購入は人生の中でも大きな決断ですから、健康状態や資金計画に無理のない形で進めることが、長い目で見て家族の安心につながります。

専門家への相談で選択肢を整理してから動きます

ワイド団信の審査に不安がある場合や、実際に審査に落ちてしまった場合は、一人で抱え込まずに専門家に相談したほうがいいでしょう。住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーや住宅ローンの窓口相談を行っている専門機関では、告知内容の整理の仕方、加入しやすい金融機関の傾向、フラット35や生命保険による代替策など、状況に応じたアドバイスを受けられます。複数の疾患を抱えている場合や、過去に何度も審査に落ちた経験がある場合は特に、自己判断より専門家を交えて動くほうが、結果的に無駄な時間や手間を減らせることが多いはずです。

不動産会社や住宅メーカーの担当者の中にも、団信の審査に関する相談実績が豊富な人がいます。実際に住宅購入を進めている段階なら、担当者に相談して、団信の審査に強い金融機関やフラット35の取扱窓口を紹介してもらうのも一つの方法です。

ワイド団信は、通常の団信よりも加入条件が緩やかに設定された団体信用生命保険であり、高血圧や糖尿病、肝炎、うつ病などの持病や既往症がある人でも加入できる可能性があります。それでも病状の重さや治療の経過期間、年齢、告知内容の正確さ、金融機関ごとの審査基準の違いによって、審査に落ちることは珍しくありません。金融機関を変える、時間を置いて再チャレンジする、フラット35に切り替える、収入保障保険で備える、配偶者名義やペアローンに切り替える、告知内容を見直して再提出する。取れる手段はいくつもあります。事実と異なる告知だけは絶対に避け、正確な情報をもとに自分や家族の状況に合った方法を選んでいってください。

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