住宅ローン控除は2026年度改正で2030年まで延長、新築の期限は

当ページのリンクには広告が含まれています。

住宅ローン控除は、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した新築住宅であれば利用できます。正式名称を住宅借入金等特別控除といい、年末時点のローン残高の一定割合を所得税や住民税から差し引ける制度です。2026年度の税制改正により、これまで数年おきに区切られてきた適用期限が5年間まとめて延長され、当面は制度そのものがなくなる心配をせずに新築計画を立てやすくなりました。ただし床面積要件や借入限度額など細かなルールも同時に見直されており、住宅の省エネ性能によっては期限内でも控除の対象から外れるケースがあります。この記事では、新築住宅における住宅ローン控除の適用期限や借入限度額、控除率、子育て世帯向けの優遇措置、申請方法までを整理して解説します。なお税制は今後の国会審議や政省令によって細部が変わる可能性があるため、住宅取得を具体的に検討している場合は税務署や税理士、住宅会社に最新情報を確認しておくと安心です。

目次

住宅ローン控除の新築適用期限は2030年12月31日入居分まで

2026年度税制改正における最大のポイントは、住宅ローン控除の適用期間が5年間延長されたことです。2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した住宅であれば、新築・中古を問わず制度の対象になります。これから新築を計画する人であっても、2030年末までに入居すれば住宅ローン控除を利用できる見込みです。

従来の住宅ローン控除は、数年おきに期限が区切られては延長されるという経緯を繰り返してきました。今回はまとまった期間の延長が示されたことで、住宅取得を検討する人にとっては中長期的な資金計画を立てやすくなったといえます。

ただし、制度の期限そのものが2030年まで延びていても、実際に控除を受けられるかどうかは住宅の省エネ性能によって左右されます。特に2028年以降に入居する新築住宅のうち、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に該当するものは、原則として住宅ローン控除の対象外とされる方向性が示されています。いつまで使える制度なのかという期限の問題と、どの住宅なら使えるのかという性能の問題は、切り分けて理解しておく必要があります。

2028年以降は省エネ基準適合住宅も控除対象外の方向へ

2028年以降に入居する新築住宅については、省エネ基準適合住宅であっても原則として住宅ローン控除の対象外となる方向性が示されています。認定長期優良住宅や認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅など、より高い省エネ性能を備えていない限り、控除を受けられなくなる可能性があるということです。

この点には経過措置も設けられています。2027年12月31日までに建築確認を受けた住宅については、2028年以降に入居した場合でも一定の範囲で控除の対象となる可能性があります。建築確認を受けるタイミングと入居のタイミングの両方が控除の可否に関わってくるため、新築を計画する際は住宅会社とスケジュールをよく確認しておく必要があります。

2026年度税制改正で床面積要件が40平方メートル以上に緩和

住宅ローン控除の対象となる住宅の床面積要件は、従来の50平方メートル以上から40平方メートル以上へと緩和されました。都市部のコンパクトな新築住宅や、単身世帯・二人世帯向けの小規模な住宅を取得する人にとって、控除の対象になりやすくなる変更です。

ただし、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅については、控除を受ける年の合計所得金額が1000万円以下であることが条件になります。床面積が50平方メートル以上の住宅であれば、合計所得金額2000万円以下という通常の所得要件のみが適用され、1000万円という追加の縛りは発生しません。これまで50平方メートルをわずかに下回るという理由で対象外になっていたケースでも、所得要件を満たせば控除を受けられる可能性が広がりました。

新築住宅の借入限度額は認定住宅で最大5000万円に設定

住宅ローン控除で還付される金額は、年末のローン残高に控除率を掛けて計算されますが、控除の対象となる残高には上限があります。この借入限度額は住宅の省エネ性能によって区分されており、性能が高い住宅ほど限度額も高く設定されています。2026年から2030年に新築住宅へ入居する場合の借入限度額は次の表の通りです。

住宅の区分通常世帯子育て世帯・若者夫婦世帯等
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4500万円5000万円
ZEH水準省エネ住宅3500万円4500万円
省エネ基準適合住宅2000万円3000万円

いわゆる「その他の住宅」、つまり省エネ基準を満たさない新築住宅には、これらの限度額は基本的に適用されません。2024年以降に建築確認を受けたその他の住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外とされており、この扱いは2026年以降も基本的に維持される見通しです。これから新築住宅を計画する場合は、設計段階でどの省エネ区分に該当するのかをハウスメーカーや工務店に確認しておくことが重要です。

ZEH水準省エネ住宅は断熱等性能等級5以上が認定条件

ZEH水準省エネ住宅とは、断熱等性能等級5以上、かつ一次エネルギー消費量等級6以上の性能を備えた住宅を指します。認定長期優良住宅や認定低炭素住宅ほどではないものの、省エネ基準適合住宅よりも高い性能基準を満たしており、借入限度額も中間の水準に設定されています。

控除率0.7%で新築住宅の控除期間は最大13年間

住宅ローン控除の控除率は、年末時点のローン残高に0.7%を掛けて計算します。控除を受けられる期間は、新築住宅や買取再販住宅の場合、原則として最大13年間です。買取再販住宅とは、宅建業者が中古住宅を買い取ってリフォームした上で再販売する住宅を指します。

一方、既存住宅の場合は住宅の省エネ性能によって控除期間が異なります。2026年度改正では、省エネ基準適合住宅以上の性能を持つ既存住宅について、控除期間が10年から13年に延長されました。省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に該当する既存住宅は、控除期間が10年のまま据え置かれています。新築住宅は基本的に13年間控除を受けられる仕組みが維持されているため、長期的な家計への影響が大きい制度だといえます。

年末残高5000万円なら控除額は35万円という計算例

具体的な金額をイメージするために、計算例を確認します。子育て世帯・若者夫婦世帯が新築の認定住宅を取得し、借入限度額の5000万円と年末時点のローン残高が一致していた場合、控除額はローン残高の0.7%にあたる35万円です。その年の所得税額が50万円であれば、そこから35万円が控除され、最終的な所得税額は15万円まで下がる計算になります。所得税額から控除しきれない金額がある場合は、一定の上限内で翌年度の住民税からも控除されます。

13年間にわたってこの水準の控除を受けられると仮定すると、単純計算で総額は数百万円規模に達することもあり、住宅取得の資金計画において大きな意味を持つ制度だと分かります。ただし控除額は年末残高に連動するため、繰り上げ返済などでローン残高が減れば、その分控除額も小さくなります。実際の金額は年収や家族構成、借入額によって変わるため、正確な見込み額を知りたい場合は金融機関や税理士のシミュレーションを利用するとよいでしょう。

子育てグリーン住宅支援事業の後継補助金と併用可能

新築住宅の取得では、住宅ローン控除以外に国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。省エネ性能の高い住宅の普及を後押しする目的で実施されてきた子育てグリーン住宅支援事業は受付を終了していますが、その後継として2026年度は新たな補助制度が実施される見通しが示されています。

住宅ローン控除とこうした補助金制度は、基本的に併用が可能です。補助金で初期費用の負担を軽減しつつ、住宅ローン控除で入居後13年間にわたって税負担を軽減できるため、両方を組み合わせることでトータルの負担をより大きく抑えられる可能性があります。補助金は予算の上限に達し次第受付が終了することが多いため、利用を検討している場合は着工前の早い段階で最新の公募状況を確認しておくことが望ましいでしょう。

子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額が500万円から1000万円上乗せ

住宅ローン控除には、子育て世帯や若者夫婦世帯に対して借入限度額を上乗せする優遇措置があります。2026年入居分についても、この上乗せ措置は継続される見込みです。対象となるのは、19歳未満の扶養親族がいる子育て世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満である若者夫婦世帯です。

例えば認定住宅であれば、通常世帯の4500万円に対して子育て世帯等は5000万円、ZEH水準省エネ住宅であれば通常世帯の3500万円に対して子育て世帯等は4500万円というように、住宅性能の区分ごとに500万円から1000万円程度の上乗せが用意されています。若い世代の住宅取得やファミリー層の住み替えを後押しする政策的な意図がうかがえる措置であり、該当する世帯は住宅会社や金融機関に相談する際、優遇措置の対象になるかどうかを確認しておくべきです。

なお、上乗せ措置を利用する場合には、床面積が原則50平方メートル以上であることが求められます。40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅では控除自体は受けられても、上乗せ措置の対象から外れるケースがあるため、該当する世帯は自分たちが取得する住宅の床面積がどちらの基準に当てはまるのか、事前に確認しておく必要があります。

既存住宅の借入限度額も最大4500万円に引き上げ

新築住宅だけでなく、既存住宅についても借入限度額の引き上げが行われています。従来、既存住宅の借入限度額は最大3000万円程度にとどまっていましたが、2026年度改正により最大4500万円まで引き上げられ、新築住宅に近い水準になりました。

具体的には、認定住宅やZEH水準省エネ住宅に該当する既存住宅の借入限度額は通常世帯で3500万円、子育て世帯等では4500万円です。中古住宅を選択肢に入れている人にとっても、控除額が拡大される方向の改正だといえます。新築か中古かで悩んでいる人にとって、両者の借入限度額の差が縮小したことは選択の幅を広げる材料になりそうです。ただし控除期間については新築の13年に対し、既存住宅は住宅性能によって10年または13年と差がある点は引き続き押さえておく必要があります。

所得要件は合計所得2000万円以下、床面積40〜50平方メートルは1000万円以下

住宅ローン控除を受けるための所得要件は、控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下であることが基本条件です。床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、追加で合計所得金額1000万円以下という条件が課されます。

このほか、取得した住宅に実際に居住していること、住宅の引き渡しまたは工事完了から一定期間内に入居すること、住宅ローンの返済期間が10年以上であることなど、基本的な要件も満たす必要があります。これらは新築住宅に限らず住宅ローン控除全般に共通する基本条件であり、2026年度改正後も大きな変更はない見通しです。

床面積の判定は登記簿の内法面積を基準にする

床面積要件の判定に使われるのは、登記簿上の面積、いわゆる内法面積です。新築マンションの販売広告などで表示される床面積は、壁の中心線で測る壁芯面積であることが多く、登記簿に記載される内法面積よりも数平方メートル大きく表示される傾向があります。パンフレット上は50平方メートル以上に見えても、実際に登記される内法面積では50平方メートルを下回ることも起こり得るため、契約前に登記簿面積ベースの数値を確認しておくと安心です。

住宅ローン控除の申請は初年度に確定申告が必須

住宅ローン控除の手続きは、初年度とその後の年で異なります。初年度は、給与所得者であっても必ず確定申告を行う必要があります。年末調整だけでは初年度分の控除は完結しません。確定申告の期間は例年2月中旬から3月中旬にかけて設定されており、入居した翌年に手続きを行います。必要書類としては、控除の計算に使う明細書、金融機関発行の年末時点のローン残高証明書、登記事項証明書、売買契約書や工事請負契約書の写しなどが求められます。

2年目以降は、給与所得者であれば勤務先の年末調整の中で手続きを完結できます。税務署から送付される住宅借入金等特別控除申告書と、金融機関発行の残高証明書を勤務先に提出することで、確定申告をしなくても控除を受けられる仕組みです。個人事業主やフリーランスなど、そもそも確定申告を行う人は、2年目以降も引き続き確定申告の中で住宅ローン控除の欄に必要事項を記入して申請します。共有名義で住宅を取得した場合や転職をした場合、他の控除と併用する場合など、手続きが通常と異なるケースもあるため、不明な点があれば早めに税務署や税理士に確認しておくと安心です。

認定長期優良住宅は総合性能、認定低炭素住宅はCO2抑制が認定条件

借入限度額が最も高く設定される認定長期優良住宅と認定低炭素住宅について、もう少し詳しく確認します。認定長期優良住宅とは、長期にわたって安全かつ快適に住み続けられることを目的として、省エネ性能だけでなく構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理のしやすさなど、住宅の総合的な性能について国の基準を満たし、所管行政庁の認定を受けた住宅です。

認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出を抑制するための措置が施され、市街化区域等の一定のエリア内に建築される住宅で、断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級の基準に加えて、再生可能エネルギー利用設備の導入や節水対策などの要件を満たし、認定を受けた住宅を指します。

これらの認定住宅は、いずれも一般的な省エネ基準適合住宅よりも高い性能基準をクリアする必要があるため、設計や建築コストは増える傾向にありますが、その分借入限度額が最も高く設定されており、長期的な税負担の軽減効果は大きくなります。認定長期優良住宅と認定低炭素住宅の両方の認定を取得することも制度上は可能ですが、それぞれ異なる基準を満たす必要があるため、審査のハードルや手続き、費用が増える点には留意が必要です。新築を計画する際は、初期コストと13年間の控除額増加分を比較しながら、どの性能区分を目指すかを住宅会社と相談して決めるとよいでしょう。

住宅ローン控除は1972年に始まり改正を重ねてきた制度

住宅ローン控除の起源は1972年に遡るとされ、住宅取得者の初期負担を軽減して住宅取得を促進すること、また住宅建設を通じて内需を拡大することを目的に、これまで繰り返し延長・改正が行われてきました。

近年の大きな転換点は、2019年10月の消費税率引き上げです。8%から10%への増税による住宅取得者の負担増を緩和する目的で、控除期間が13年間に延長される措置が取られました。続いて2022年度の税制改正では、控除率がそれまでの1%から新築・中古とも一律0.7%に引き下げられる一方、控除期間は新築・買取再販住宅で13年間、既存住宅やリフォームで10年間とする制度に再編され、2025年末までの入居分を対象に4年間延長されました。

そして今回の2026年度税制改正で、適用期限がさらに2030年12月31日入居分まで5年間延長されるとともに、床面積要件の緩和や既存住宅の借入限度額の引き上げなど、追加の見直しが行われました。住宅ローン控除は、その時々の住宅市場や経済情勢、少子化対策、脱炭素政策といった政策目的に応じて、控除率や控除期間、借入限度額が調整されながら存続してきた制度だといえます。今後も数年おきに見直しが行われる可能性がある点は念頭に置いておくとよいでしょう。

控除額は当年の納税額が上限、住民税控除は9万7500円が天井

住宅ローン控除は大きな節税効果が期待できる制度ですが、利用にあたって押さえておくべき注意点もあります。控除額はあくまでその年に納めるべき所得税・住民税の範囲内でしか適用されません。年末のローン残高に0.7%を掛けた金額がそのまま満額還付されるわけではなく、実際に納税している所得税額を上回る分は控除されない点に注意が必要です。所得税から控除しきれなかった金額については、一定の上限内で翌年度の住民税からも控除されますが、この住民税からの控除には課税総所得金額等の5%、上限9万7500円という天井が設けられています。年収や借入額によっては、借入限度額いっぱいまでローンを組んでも、理論上の控除額を満額受け取れないケースがある点は理解しておきましょう。

ローン残高は返済が進むにつれて年々減少していくため、住宅ローン控除の還付額も年を追うごとに小さくなっていくのが通常です。元利均等返済の場合、返済初期はローン残高の減り方が緩やかなため控除額への影響は比較的小さいですが、繰り上げ返済を行うタイミングによっては、その年以降の控除額が想定より減ってしまうこともあります。控除で得られるメリットと、繰り上げ返済で減らせる将来の利息負担とを比較しながら返済計画を検討することが望ましいといえます。

さらに、初年度の確定申告を忘れると、その年分の控除が受けられなくなってしまう可能性があります。年末調整で自動的に適用されるのは2年目以降の話であり、入居した翌年の確定申告はどのような雇用形態の人であっても必須の手続きです。申告期限や必要書類を早めに確認し、漏れのないよう準備しておきましょう。

新築計画では建築確認のタイミングと住宅性能の確認が要

2026年以降に新築住宅を計画する場合、押さえておきたい点を整理します。制度自体の期限は2030年12月31日入居分まで延長されているため、当面は住宅ローン控除を利用できる見通しが立っています。建築時期を無理に早める必要は基本的にはありません。

一方で、控除額の実質的な水準は住宅の省エネ性能によって大きく左右されます。認定長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅など性能の高い住宅ほど借入限度額が大きく、結果として受けられる控除額も大きくなります。特に2028年以降の入居では、省エネ基準を満たさない住宅が原則として控除の対象外となる見込みであるため、住宅会社と相談する際は建築確認のタイミングと住宅性能の区分を必ず確認しておくべきです。該当する場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯向けの上乗せ措置を活用できるかどうかもあわせて確認しておきましょう。

土地探しから着工、引き渡し、入居までには一定の期間がかかるため、期限までまだ余裕があると考えていても、実際に動き始めると入居のタイミングが想定より後ろにずれてしまうことは珍しくありません。希望する省エネ性能や借入限度額の区分を確実に満たすためにも、早めに情報収集を始め、資金計画とスケジュールの両面から逆算して家づくりを進めることが、住宅ローン控除を活用するための近道になります。制度の詳細は今後の国会審議や運用状況によって変更される可能性もあるため、契約や着工の前には必ず最新の公式情報を確認するようにしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次