住宅ローンの再審査に回数制限はなく、実務上の目安は2〜3社

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住宅ローンの再審査を受けられる回数に、法律上の上限はありません。同じ金融機関に何度申し込んでも、複数の金融機関に同時に申し込んでも、制度上は禁止されていません。ただし信用情報機関には申込みの履歴がおよそ6ヶ月残るため、短期間に申込みを重ねると、次に審査する金融機関の担当者に不要な警戒感を与えることがあります。実務上は、同時期に申し込む先を2〜3社程度に絞るのが無難とされています。

この記事では、住宅ローンの再審査に回数の目安があるのかという疑問を出発点に、審査に落ちる理由と対策、借入条件を変更する場合の再審査、転職や収入減少による融資取り消しのリスクまで、審査を受け直す場面ごとに整理して説明します。

目次

住宅ローンの再審査に回数の上限はなく、目安は2〜3社

結論として、住宅ローンの再審査に何回までという法的な回数制限はありません。同じ金融機関への再申込みも、複数の金融機関への同時申込みも制度上は自由です。それでも実務では、同時期の申込みを2〜3社程度に絞ることが推奨されています。

理由は二つあります。一つは、住宅ローンの仮審査や本審査に申し込むと、その事実がCICやJICC、全国銀行個人信用情報センターといった信用情報機関に登録され、承認でも否認でもおよそ6ヶ月間履歴として残ることです。この履歴は他の金融機関からも照会できるため、短期間に多数申し込んでいる事実は次の審査先にも伝わります。もう一つは、申込回数が多いと審査担当者が他行の審査に通らない理由があるのではないかという心証を持ちやすくなることです。これは明文化された審査基準ではありませんが、審査担当者の印象として審査結果に影響することがあります。

4社以上への同時申込みは、履歴の積み重なりに加えて、本審査ごとの書類準備や事務手数料の負担も増えます。事前審査は本審査に比べて手続きの負担が軽いため、まず複数社の事前審査で条件を比較し、良い条件の1〜2社に絞ってから本審査に進むという流れをとる人も少なくありません。

信用情報の履歴が消えるまで待つという選択肢

一度審査に落ちた場合や、すでに複数社へ申し込んでこれ以上申込みを重ねたくない場合は、申込履歴が信用情報から消える目安である6ヶ月ほど期間を空けてから再申込みする方法があります。ここで期間を空ける意味は、審査落ちの記録自体を消すことよりも、短期間に集中した申込履歴を解消して次の審査先の心証を改善することにあります。審査に落ちた原因、たとえば収入状況や他の借入、延滞履歴などが解消されていなければ、時間を空けただけで結果が変わるとは限らない点には注意が必要です。

再審査が必要になる場面は審査落ちだけではない

住宅ローンで再審査という言葉が使われる場面は、一度審査に落ちて申し込み直す場合だけではありません。審査に通った後で借入金額や借入期間、返済方法を変更したいとき、転職や収入減少で状況が変わったとき、事前審査や本審査の承認に有効期限が切れてしまったときにも、金融機関は改めて審査を行います。

事前審査は物件の売買契約の前後、申込者の年収や勤務先、他の借入状況といった簡易な情報をもとに、数日から1週間程度で結果が出ます。本審査は事前審査を通過した後、源泉徴収票や納税証明書、登記事項証明書、売買契約書などの正式書類をもとに、通常2週間から1ヶ月程度かけて返済能力や物件の担保価値を詳しく確認します。この二段階のどちらで再審査が必要になるかによって、必要な対応も変わってきます。

本審査で落ちる理由は信用情報や返済負担率、担保評価に分かれる

本審査で否認となる、あるいは事前審査は通ったのに本審査で落ちる理由は、大きく5つに整理できます。

信用情報の問題は、クレジットカードやカードローン、自動車ローンの利用履歴に延滞や滞納の記録があるケースです。直近の延滞や長期にわたる延滞は、審査への影響が大きいとされています。

返済負担率の問題は、年収に占める年間のローン返済額の割合が、住宅ローンの審査でおおむね求められる30〜40%の範囲を超えてしまうケースです。自動車ローンや教育ローン、カードローンなど住宅ローン以外の借入があると、これらの返済額も合算されるため、他の借入が多いほど審査に通りにくくなります。

物件の担保評価の問題は、金融機関が担保として評価する物件の評価額が、融資希望額に対して低いと判断されるケースです。この場合、希望額での融資が難しくなったり、減額での承認になったりすることがあります。

団体信用生命保険、いわゆる団信への加入可否も審査に関わります。住宅ローンの多くは団信への加入が融資条件になっているため、健康状態によって加入できないと判断されると、通常の住宅ローンでは審査が通らないことがあります。

勤続年数や雇用形態の問題は、転職直後で勤続年数が短い場合や、雇用形態が不安定とみなされる場合に、収入の継続性への懸念として審査に影響するケースです。

理由ごとの傾向を整理すると、次のようになります。

落ちる理由内容再審査での対応の方向性
信用情報の延滞クレジットカードやローンの延滞や滞納の記録完済し、記録が更新される時期を待つ
返済負担率超過他の借入との合算で年収比30〜40%を超える他の借入の完済または残高圧縮
担保評価の不足物件評価額が融資希望額に対して低い評価基準の異なる別の金融機関を検討
団信に加入不可健康状態により団体信用生命保険に加入できないワイド団信やフラット35を検討
勤続年数の短さ転職直後などで収入の継続性に懸念勤続実績を積んでから再申込み

再審査に通すための対策は原因ごとに変える

再審査に臨む対策は、審査に落ちた理由によって変わります。

信用情報に延滞などの記録がある場合は、まず記録が解消される時期を確認し、可能であれば延滞分を完済したうえで、記録が更新されるのを待つことが基本です。信用情報の記録は一定期間で削除されるため、その時期を待ってから再申込みするのが現実的な対応になります。

返済負担率が原因の場合は、カードローンや自動車ローン、リボ払いの残高を可能な限り完済するか、残高を減らすことで改善できます。完済が難しくても、残高を減らすだけで結果が変わることがあるとされています。

担保評価が原因の場合は、金融機関によって評価基準や算定方法が異なるため、別の金融機関に申し込むことで結果が変わる可能性があります。1つの金融機関で落ちても、別の金融機関では通るというケースは珍しくありません。

団信への加入が難しい場合は、引受基準を緩和したワイド団信を扱う金融機関や、団信への加入が任意になっているフラット35のような商品を検討する余地があります。フラット35は民間の住宅ローンとは審査基準や商品性が異なり、団信への加入が必須ではない点が特徴です。

いずれの理由でも、審査落ちの理由を金融機関に直接確認するのは難しいことが多いため、不動産会社の住宅ローン担当者やファイナンシャルプランナーに相談し、自分の状況に合わせた対策を検討することが有効です。

借入金額や借入期間を変更すると再審査になることがある

審査に一度承認された後で、借入金額や借入期間、返済方法を変更したい場合も再審査が必要になります。多くの金融機関では、事前審査や本審査の承認後に借入金額や借入期間を変更する場合、変更内容によっては改めて審査が必要になるとされています。特に借入金額を増額する場合や返済期間を延長するなど、当初の審査条件から大きく変わる変更は、審査のやり直しが必要になるのが一般的です。

軽微な変更であれば、担当者への連絡や必要書類の再提出のみで対応できる場合もありますが、取り扱いは金融機関ごとに異なるため、変更を希望する場合は契約予定の金融機関に直接確認する必要があります。審査結果によっては希望する条件変更が認められないこともあり、特に本審査後の増額変更は担保評価や返済負担率が再計算されるため、当初の審査より厳しい結果になることもあります。

転職や収入減少は融資取り消しにつながることがある

本審査に承認された後、あるいは金銭消費貸借契約を締結した後でも、決済、つまり融資実行までの間に申込者の状況が大きく変わった場合、金融機関は改めて審査を行い、最悪の場合は融資が取り消されることがあります。

融資が取り消される、あるいは再審査の対象になる主な理由は、転職や離職による収入減少、収入合算をしている配偶者などの収入減少、新たな借入の発生、信用情報の悪化、健康状態の悪化による団信加入条件の変化です。本審査の結果が出る前や契約から融資実行までの間に転職をすると、勤続年数や年収の条件が当初の申込内容と変わるため、金融機関が再審査を行う可能性が高くなります。転職で年収が下がった場合や、雇用形態が正社員から契約社員などに変わった場合は、返済能力の評価が下がり、融資条件の変更や融資取り消しにつながることもあります。

こうしたリスクを避けるには、住宅ローンの申込みから融資実行までの期間中、転職や独立、大きな買い物による新たな借入など、審査結果に影響しかねない行動を控えることが基本の対策になります。やむを得ず転職が必要な場合は、事前に金融機関の担当者に相談し、想定される影響を確認しておくことが望ましいといえます。

複数の金融機関に申し込むメリットとデメリットは表裏一体

複数の金融機関に申し込むメリットは、金利や融資条件を比較でき、より有利な条件の住宅ローンを見つけやすくなることです。金融機関ごとに金利水準や審査基準、優遇条件は異なるため、1社に絞るより比較検討の幅が広がります。1つの金融機関で落ちても、他の金融機関で承認される可能性を確保できる安心材料にもなります。

デメリットは、信用情報に申込履歴が残ることで他の金融機関からの心証に影響しうる点、本審査を複数申し込む場合は金融機関ごとに詳細な書類を用意する手間がかかり事務手数料が発生することもある点、複数の承認が同時に出た場合にどこと契約するか選ぶ手間や他行への辞退連絡といった事務作業が生じる点です。

これらを踏まえると、事前審査の段階では複数社へ申し込んで条件の良い金融機関を絞り込み、本審査は絞り込んだ2〜3社程度に申し込むという進め方が、実務上バランスの取れた方法だといえます。

フラット35は団信が必須ではなく審査基準も異なる

住宅ローンには、民間の金融機関が独自の基準で審査する商品のほかに、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供するフラット35のような商品があります。フラット35は借入時の金利が固定される長期固定金利型のローンで、審査基準や団信の扱いが民間の住宅ローンとは異なります。

フラット35では団体信用生命保険への加入が必須ではなく、健康上の理由で通常の住宅ローンの団信に加入できない人でも申し込みやすいという特徴があります。審査では物件が一定の技術基準を満たしているかどうかも重要な要素になります。金融機関や商品によって審査基準や重視されるポイントが異なるため、ある商品の審査に落ちても、別の商品や別の金融機関であれば通る可能性があります。同じ金融機関の同じ商品に何度も申し込むのではなく、審査基準の異なる金融機関や商品を検討することも選択肢の一つです。

事前審査と本審査の承認には180日の有効期限がある

見落とされがちですが、事前審査と本審査ともに承認結果には有効期限があり、この期限切れも再審査が必要になる代表的なケースです。多くの金融機関では、事前審査の承認から180日程度、本審査の承認から180日程度が有効期限の目安とされ、この期間内に次の手続き、事前審査であれば本審査への申込み、本審査であれば融資の実行を完了させる必要があります。

物件探しが長引いたり、売主との交渉や引き渡し時期の調整で契約から融資実行までの期間が延びたりすると、この有効期限を過ぎることがあります。有効期限が切れた場合、金融機関によっては年収や信用情報、他の借入状況を改めて確認し直す再審査が必要になります。これは審査に落ちたわけではなく、承認から時間が経ちすぎたことで状況の変化がないかを確認し直す手続きですが、実務上は本審査のやり直しに近い手間がかかることもあります。住宅購入のスケジュールが長引きそうな場合は、事前に金融機関へ有効期限を確認し、期限内に手続きを終えられるよう逆算してスケジュールを組むことが望ましいといえます。

メガバンクとネット銀行、地方銀行で審査の傾向は異なる

住宅ローンを扱う金融機関は、メガバンク、地方銀行、信用金庫や信用組合、ネット銀行に大きく分けられ、それぞれ重視する顧客層や審査の傾向に違いがあるとされています。

メガバンクは全国に支店を持ち対面での相談がしやすく、取り扱う金利タイプが幅広いのが特徴です。属性が優良な申込者は金利優遇を受けやすく、仮審査から本審査に進んだ後の審査スピードも比較的早い傾向があります。ネット銀行は店舗を持たない、あるいは少数に絞ることで営業コストを抑え、その分を低金利という形で商品に反映させやすいとされています。一方で対面サポートが少なく、審査基準がやや厳格、または書類のやり取りがオンライン中心になる点には注意が必要です。地方銀行や信用金庫は地域に根ざした対面サポートが手厚く、地域内の物件や勤務先であれば柔軟に対応してもらいやすい一方、金利水準はメガバンクやネット銀行よりやや高めになる傾向があります。

金融機関の種類によって審査の視点や重視するポイントが異なるため、一つの金融機関、あるいは一つの種類の金融機関で審査に落ちた場合でも、別の種類の金融機関であれば審査基準の違いから承認を得られる可能性があります。再審査を検討する際には、同じタイプの金融機関ばかりに絞らず、メガバンクとネット銀行、地方銀行など異なるタイプを組み合わせて比較検討することも有効な選択肢です。

ペアローンや収入合算は相手の状況も審査対象になる

夫婦や親子で住宅ローンを組む場合、ペアローンや収入合算、いわゆる連帯保証型と連帯債務型といった方法が使われることがあります。ペアローンは、同一物件に同居する配偶者や親子などがそれぞれ別個に住宅ローン契約を結び、お互いに連帯保証人兼担保提供者となる仕組みで、夫婦それぞれが住宅ローン控除や団体信用生命保険への加入を受けられる点が特徴です。収入合算は、主債務者の収入に配偶者や親などの収入を合算して申し込む方法で、収入合算者は連帯保証人という立場になるのが一般的です。

これらの組み方をしている場合、再審査や条件変更の場面では、主債務者だけでなく収入合算者やペアローンのもう一方の契約者の状況も審査対象になる点に注意が必要です。配偶者に借入や延滞といった信用情報上の問題があると、それが原因で世帯全体の審査に影響することがあります。収入合算者やペアローンの相手方が転職や離職をした場合も、前述した収入減少のケースと同様に、再審査や融資条件の見直しが必要になることがあります。ペアローンや収入合算を利用する場合は、契約者となる全員の信用情報や収入状況が審査対象になることを踏まえ、双方が審査に影響しうる行動を控えるようすり合わせておくことが望ましいといえます。

個人事業主は直近2〜3年分の所得で継続性を見られる

個人事業主や自営業者は、会社員や公務員と比較して住宅ローン審査に通りにくい傾向があるとされています。収入が年ごとに変動しやすく、金融機関から見て収入が安定していないとみなされやすいためです。個人事業主の審査では、直近1年分だけでなく直近2〜3年分の確定申告書の提出を求められるのが一般的で、複数年にわたる所得の安定性や継続性が重視されます。

自営業者が審査に落ちる典型的なパターンは、所得に対する返済負担率が高いこと、物件の担保価値が融資希望額に見合わないこと、他の借入が多いこと、税金や社会保険料を含めた滞納履歴があることです。節税目的で経費を多く計上し申告所得を低く抑えている場合、金融機関から見た返済能力の評価が下がり、希望する金額の融資を受けにくくなることもあります。

個人事業主が再審査に臨む対策としては、直近3年程度にわたって黒字の申告を続け過度な経費計上を控えて所得を安定的に示すこと、他の借入をできる限り整理して返済負担率を下げること、個人事業主やフリーランスでも利用しやすいとされるフラット35のような商品を検討することが有効とされています。金融機関によって自営業者への審査姿勢には差があるため、自営業者の融資実績が豊富な金融機関や事業性を考慮した審査を行う金融機関を選ぶことも、再審査を成功させる方法の一つです。

再審査の前に信用情報と他の借入を確認しておく

再審査、あるいは新たな金融機関への申込みを検討する前に、いくつかの点を確認しておくと審査通過の可能性を高めやすくなります。

まず、自分の信用情報の状況を把握することです。信用情報機関に開示請求を行うと、自分自身の信用情報の内容を確認できます。延滞などの記録がないか、他社からの申込履歴がどの程度残っているかを事前に把握しておくと、審査に通りやすいタイミングを見極めやすくなります。

次に、他の借入状況を整理することです。カードローンやリボ払い、自動車ローンなどの残高がある場合、可能な範囲で返済を進めておくと返済負担率を改善できます。使っていないクレジットカードのキャッシング枠も審査上の借入可能額として計算されることがあるため、不要なカードを解約しておくことも対策の一つです。

そして、申込内容に虚偽や誤りがないかを確認することです。年収や勤務先、他の借入状況などの申告内容に誤りがあると、審査の過程で発覚した場合に信用を損なう可能性があります。正確な情報をもとに申込むことが、結果的にスムーズな審査につながります。

最後に、金融機関や住宅ローンに詳しい専門家に相談することです。不動産会社の住宅ローン担当者や住宅ローンを専門に扱うファイナンシャルプランナー、モーゲージブローカーのようなサービスを利用すると、自分の状況に合った金融機関や商品を紹介してもらえることがあります。審査基準は金融機関によって異なり、公開されていない部分も多いため、専門家の知見を活用することは再審査を成功させるうえで有効な手段です。

再審査を重ねる前に、原因への対処を優先する

住宅ローンの再審査に法律上の回数制限はありませんが、信用情報に残る申込履歴と審査担当者の心証という二つの理由から、同時期の申込みは2〜3社程度に絞るのが実務上の目安です。回数を重ねることよりも、審査に落ちた理由、信用情報や返済負担率、担保評価、団信の加入可否、勤続年数などを分析し、原因に応じた対策を講じることのほうが、再審査で承認を得る近道になります。

審査承認後の借入金額や借入期間の変更、転職や収入減少による状況変化、事前審査や本審査の有効期限切れも、金融機関にとっては再審査の対象です。これらの場面では取り扱いが金融機関ごとに異なるため、状況に変化があれば速やかに担当者へ相談することが欠かせません。住宅ローンは長期にわたる契約なので、再審査を繰り返すこと自体を目的にせず、自分の状況を正確に把握したうえで無理のない借入計画を立てることが、最終的に一番の近道になります。

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