家づくりの契約金と中間金、支払いタイミングと相場を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。

家づくりにおける契約金の相場は、土地代金または工事金額のおよそ5%から10%です。中間金は上棟のタイミングで発生し、総工費の30%から40%程度を支払うのが一般的な水準となっています。住宅ローンの本融資は建物の引き渡し時にしか実行されないため、契約から引き渡しまでの間に何度か大きな出費が発生する点を、あらかじめ押さえておく必要があります。

注文住宅を建てる場合、支払いは契約時の一度きりでは終わりません。土地の売買契約、建築工事の請負契約、着工、上棟、引き渡しと段階が進むたびに、まとまった金額を用意することになります。この記事では、契約金・手付金・中間金それぞれの意味と相場、支払いのタイミング、そして資金が足りないときの対処法まで、順を追って整理します。

目次

家づくりの契約金は5〜10%が相場で、土地と建物の契約で二重に発生する

家づくりで最初に用意すべきお金は、契約時に支払う手付金または契約金です。土地から購入して注文住宅を建てるケースでは、土地の売買契約時と建築工事の請負契約時の2回、支払いが発生します。

相場は物件代金や工事金額の5%から10%程度です。土地代金が2,000万円なら手付金は100万円から200万円、建物の工事金額が3,000万円なら契約金は150万円から300万円が目安になります。中小の工務店では10万円から50万円程度の定額制を取っているところもあれば、大手ハウスメーカーのように工事金額の一定割合(たとえば10%)を明確に定めているところもあり、金額の決め方は会社によってかなり違います。契約前の打ち合わせで、具体的な金額を必ず確認しておいてください。

手付金と契約金は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。ただ実務上は、土地の売買契約で支払うものを手付金、建築工事の請負契約で支払うものを契約金と呼び分けている会社も見られます。呼び方の違いよりも、いつ・いくら払うのかを個別に確認するほうが重要です。

手付金には「証約手付」と「解約手付」という2つの役割がある

手付金には、契約が成立したことを示す証約手付としての意味があります。あわせて、宅地建物取引業法では、宅建業者が売主となる不動産売買契約において買主から受け取る手付金は、名目にかかわらずすべて解約手付とみなされると定められています。

解約手付は、相手方が契約の履行に着手するまでの間、買主は手付金を放棄して、売主は受け取った手付金の倍額を現実に提供することで、契約を解除できるという性質を持つお金です。契約後に事情が変わって「やはりやめたい」となった場合の解除権を、あらかじめ確保しているとも言えます。

法律上の上限も決まっています。自ら売主となる宅建業者は、代金の20%を超える手付金を受領できず、超えた部分は無効です。さらに建築工事完了前の物件を販売する場合、宅建業者が受領する手付金等の額が代金の5%以下かつ1,000万円以下であれば、保全措置を講じずに受け取ることが認められています。保全措置とは、契約後に売主が倒産するなどして引き渡しができなくなったときに、支払った手付金等の返還を受けられるようにする仕組みです。この基準を超える手付金を求められた場合、保全措置が講じられているかどうかを確認する価値があります。

着工金は工事代金の30%程度、地盤調査や基礎工事の資金にあてられる

契約金を支払ったあと、次に発生するのが着工金です。着工金は、実際に建築工事が始まるタイミングで支払う費用で、工事請負契約を結んでから、地盤調査や地盤改良工事、基礎工事が始まる前後に請求されるのが一般的です。

相場は建物代金の30%程度とされています。工事金額が3,000万円であれば、着工金として900万円ほど用意する計算になります。契約金の割合を高めに設定して着工金を低く抑える会社もあるため、この配分も施工会社ごとに違います。着工金は基礎工事や上下水道の引き込み、木材の仕入れなど、実際に工事を進めるための資金として使われるので、施工会社にとっても欠かせない運転資金になっています。

中間金(上棟金)の相場は総工費の30〜40%、上棟時に支払う

家づくりの資金計画で特に金額が大きくなるのが中間金です。中間金は上棟金と呼ばれることもあり、柱や梁など建物の基本構造を組み上げる上棟(棟上げ)のタイミングで支払います。上棟は工事全体の中でも大きな節目で、建物の骨格がほぼ完成するこの時点で、工事の進捗に応じた対価として請求されます。

割合の相場は総工費のおおむね30%から40%です。工事金額が3,000万円の注文住宅なら、中間金として900万円から1,200万円ほどが目安になります。着工金と並んで、家づくりの中でも際立って大きな支払いなので、事前の資金計画が欠かせません。

支払いのタイミングは上棟時、または上棟の前後に設定されることが多いのですが、回数・名称・割合は建築会社によってまちまちです。着工金と中間金を分けず上棟時にまとめて請求する会社もあれば、上棟前・上棟後の2回に分ける会社もあります。工事請負契約を結ぶ前の打ち合わせで、支払日・金額・名称を書面で確認しておくことをおすすめします。

契約金・着工金・中間金・最終金の割合の目安

家づくり全体の支払いを時系列で整理すると、次のような割合になります。

支払いの名称タイミング割合の目安
手付金・契約金土地売買契約時・工事請負契約時建物代金の5〜10%
着工金着工時建物代金の30%程度
中間金(上棟金)上棟時建物代金の30〜40%
最終金引き渡し時建物代金の30〜35%

契約金・着工金・中間金・最終金を合計すると、建物代金のほぼ全額をカバーする形になります。最終金は、建物総額からそれまでの支払いを差し引いた残額になるため、住宅ローンの本融資が実行される引き渡し時にまとめて支払うのが一般的です。ただし、この割合や回数はあくまで目安であり、実際の契約内容は施工会社ごとに大きく異なります。契約前に支払いスケジュール表や資金計画書の提示を求め、いつ・いくら・何のために支払うのかを具体的に確認することが、資金トラブルを防ぐ最初の一歩になります。

つなぎ融資は年2〜4%の金利で本融資実行前の支払いを埋める

家づくりの支払いが難しいのは、住宅ローンの本融資が実行されるタイミングと、実際にお金が必要になるタイミングがずれる点にあります。多くの金融機関では、住宅ローンの本融資は工事がすべて完了した引き渡し時にまとめて実行されます。ところが契約金・着工金・中間金は、建物の完成前、工事の途中段階で発生します。この「本融資が下りる前にお金が必要になる」というギャップを埋める仕組みが、つなぎ融資です。

つなぎ融資は、住宅ローンの本融資実行前に必要となる土地代・着工金・中間金などの支払いにあてる、一時的な短期融資です。借りられる金融機関は、住宅ローンを依頼する予定の金融機関であることが一般的ですが、取り扱いの有無や条件は借入先によって異なります。金利は年2%から4%程度とされており、通常の住宅ローンより高めに設定されていることが多いので、この点は注意しておいてください。つなぎ融資で着工金や中間金の支払いをまかない、建物完成後に住宅ローンの本融資が実行されるタイミングで、つなぎ融資分をまとめて住宅ローンに切り替えて返済する、という流れになります。

つなぎ融資を利用する場合、事務手数料や印紙代、融資期間中の利息といった諸費用が別途発生する点も資金計画に織り込んでおく必要があります。すべての金融機関が対応しているわけではないため、住宅ローンを検討する段階で、つなぎ融資の取り扱いの有無を確認しておくと安心です。

分割融資は住宅ローンの一部を前倒しで実行してもらう仕組み

つなぎ融資とは別に、分割融資(分割実行)という仕組みを用意している金融機関もあります。分割融資は、住宅ローンの融資枠から、着工時や上棟時など工事の進捗に応じて複数回に分けて融資を実行してもらう方法です。つなぎ融資が別建ての短期ローンであるのに対し、分割融資は住宅ローンの一部を前倒しで実行してもらう形になるため、金利面で有利になるケースもあります。

一方で、分割融資に対応している金融機関は限られています。分割融資を行う場合、金融機関側は「完工前に工務店が倒産するリスク」を負うことになるためです。実際に、中間金を分割融資で受け取ったあとに工務店が倒産し、建物が完成しないまま融資だけが実行されてしまったというトラブル事例も報告されています。このリスクを避けるため、中間金の分割融資には対応していない金融機関も少なくありません。住宅ローンを検討する際は、分割融資への対応状況や、対応している場合の担保・保証条件についても事前に確認しておく必要があります。

中間金や着工金が支払えないときは金融機関への早期相談が有効

中間金や着工金は建物代金の30%前後という大きな金額になるため、自己資金だけでは支払えないという施主も少なくありません。この場合の対処法は主に4つあります。

1つ目はつなぎ融資の利用です。住宅ローンを依頼する予定の金融機関に、つなぎ融資の取り扱いがあるかを早めに相談してください。2つ目は分割融資の利用ですが、こちらも対応金融機関は限られるため事前確認が欠かせません。3つ目は金融機関への早期相談です。中間金の支払いが本融資実行前に発生すると分かっている場合は、住宅ローンの申し込み段階、あるいはそれ以前の資金計画の段階で担当者に相談しておくのが有効です。金融機関によってつなぎ融資・分割融資への対応可否、金利条件、必要書類が異なるため、複数の金融機関を比較検討することもおすすめします。

4つ目は建築会社との交渉です。会社によっては、資金計画の事情に応じて支払いのタイミングや割合を柔軟に相談に応じてくれる場合があります。自己資金が少ない場合は、契約前に「支払い回数を増やせないか」「割合を調整できないか」を相談してみる価値はあります。ただし着工金・中間金は施工会社にとって工事を進めるための運転資金でもあるため、交渉が必ず通るとは限りません。

いずれの方法を取るにしても、重要なのは工事請負契約を結ぶ前に資金計画を固めておくことです。契約後に資金不足に気づくと選択肢が限られ、最悪の場合は契約解除や違約金の発生につながりかねません。

建売住宅は手付金と残代金の2段階、注文住宅より支払い回数が少ない

ここまで見てきた契約金・着工金・中間金という段階的な支払いは、主に注文住宅を建てる場合に発生する資金の流れです。すでに完成している建売住宅や分譲住宅を購入する場合は、支払いの流れが大きく異なります。

建売住宅では、まず購入申し込み時に申込証拠金として1万円から10万円程度を支払うことがあります(不要な物件もあります)。その後、売買契約時に物件価格の5%から10%程度の手付金を支払い、印紙税や仲介手数料の一部といった諸費用もあわせて発生します。そして引き渡し前に、残りの代金と残りの諸費用をまとめて支払う流れが一般的です。建物がすでに完成しているため、注文住宅のように着工時や上棟時に分割して支払う必要がなく、手付金と残代金の実質2段階で完結する点が、注文住宅との大きな違いです。

諸費用の合計は物件価格の5%から10%程度になるのが一般的で、手付金とあわせると、建売住宅の購入時には物件価格のおよそ10%から20%の資金をあらかじめ準備しておく必要があるとされています。注文住宅を検討する場合は、この違いを理解したうえで、着工金・中間金というまとまった支払いが工事期間中に発生することを踏まえた資金計画を立てる必要があります。

住宅ローンの諸費用は契約時・引き渡し時に分散して発生する

契約金・着工金・中間金といった建物代金そのものの支払いに加えて、住宅ローンに関連する諸費用の支払いも見落とせません。これらは支払うタイミングが項目ごとに異なります。

不動産会社に支払う仲介手数料や、契約書に貼付する印紙税は、売買契約や工事請負契約を締結するまでに支払うケースが多く見られます。契約時にまとまった現金を求められるため、契約金・手付金とあわせて準備しておく必要があります。登記関連の費用(登録免許税や司法書士への報酬など)は、一般的に物件の引き渡し時に司法書士へ支払う形になります。所有権の移転登記や、住宅ローン利用時の抵当権設定登記がこれにあたります。

住宅ローンの融資手数料(事務手数料)や火災保険料といった金融機関関連の費用は、融資が実行されるタイミング、つまり一般的には引き渡し時に支払う方式が多く採用されています。手数料の体系(定額型か定率型か)や支払い方法は金融機関によって異なるため、住宅ローンの契約を検討する段階であわせて確認しておくとよいでしょう。

このように家づくりの支払いは、建物代金そのもの(契約金・着工金・中間金・最終金)と、住宅ローンに付随する諸費用(仲介手数料・印紙税・登記費用・融資手数料・火災保険料など)という、2つの流れが並行して発生します。金額と支払いタイミングを一覧化した資金計画表を早い段階で作っておくことが、余裕を持った家づくりにつながります。

頭金の平均は住宅価格の17〜36%、生活防衛資金は別に残す

契約金・着工金・中間金といった段階的な支払いに備えるには、自己資金(頭金)をどの程度用意すべきかを把握しておく必要があります。はじめて住宅を購入した人が実際に支払った自己資金はおよそ800万円から1,300万円程度で、住宅価格に対する割合ではおよそ17%から36%という結果が出ています。建築費用に対して18%から26%前後の頭金を用意しているというデータもあり、住宅価格の2割前後を目安に自己資金を準備している家庭が多いことがうかがえます。

頭金がゼロでも借り入れられる住宅ローン商品は多く存在し、自己資金が用意できなくても注文住宅を建てること自体は可能です。ただし融資額が物件価格の9割を超える借り入れの場合、フラット35をはじめとする一部のローン商品では金利が高めに設定される傾向があるため、頭金の有無や金額によって総返済額が変わってきます。

自己資金を準備する際は、預貯金のすべてを頭金や契約金・中間金の支払いに充ててしまわないよう気をつけてください。急な出費や収入の変化に備えて、生活費のおよそ半年分と、教育費など近い将来に必要となる資金は手元に残しておくのが望ましいとされています。契約金・着工金・中間金という大きな支払いが続く家づくりだからこそ、自己資金の配分に余裕を持たせておくことが、無理のない資金計画につながります。

参考として、2026年の住宅市場では、全国的な坪単価の目安がおよそ104万円とされています。建物の延床面積によって総工事金額は変わり、契約金・着工金・中間金の具体的な金額もそれに応じて変わってきます。建てたい住宅の規模や仕様に応じて、早い段階で概算の総工事金額を把握し、そこから逆算して契約金・着工金・中間金・最終金の目安額を試算しておくことをおすすめします。

契約後の追加費用は地盤改良と見積もりの「一式」表記に注意する

契約金・着工金・中間金・最終金という支払いの流れを資金計画に組み込んでも、それだけでは足りず、工事請負契約後に追加費用が発生して当初の想定より支払額が増えるケースは珍しくありません。増額の主な原因は、追加工事の発生、見積もり項目の抜け漏れ、地盤改良や外構工事にかかる費用、設備のグレード変更などです。

たとえば着工後の地盤調査で地盤改良工事が必要と判明し、当初の見積もりになかった費用が追加で発生することがあります。地中に埋設物(古い基礎やコンクリートがらなど)が見つかり、撤去費用が発生するケースもあります。見積書に「一式」「別途」といった表記が多い場合は、後になって追加費用が発生しやすい傾向があるため、契約前に見積もりの内容を細かく確認してください。

本体工事費だけで予算を組んでしまうと、付帯工事費(外構・地盤改良・給排水引き込みなど)や諸費用が別途計上されたときに、想定していた契約金・中間金の割合では資金が足りなくなり、予算オーバーにつながる可能性があります。理想は「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」を明確に分けた見積もりを提示してもらったうえで工事請負契約を締結することですが、状況によってはすべてを契約前に確定させるのが難しい場合もあります。そのときは、追加費用が発生しそうな項目をあらかじめ洗い出し、資金計画に一定の予備費を持たせておいてください。打ち合わせ内容や仕様変更の履歴を都度記録し、見積もりを更新してもらうようにすることも、契約金・中間金の支払い段階で「思っていたより支払額が大きい」というトラブルを防ぐことにつながります。

支払い遅延には年率10%の違約金、契約解除では着工金も戻らない

契約金・着工金・中間金の支払いは施主にとって大きな負担であると同時に、支払いが遅れた場合や契約を解除する場合には、施主側にリスクが生じる点にも注意が必要です。

工事請負契約書には、支払い遅延に関する条項が定められていることが多くあります。施主が請負代金の支払いを遅らせた場合、住宅会社・工務店は遅延日数に応じて、遅滞している金額に対して年率10%程度の違約金(遅延損害金)を請求できるとされているのが一般的です。支払いが滞っている間、住宅会社・工務店側が建物の引き渡しを拒むことができる旨が定められているケースもあります。中間金や最終金の支払いが遅れないよう、資金計画やつなぎ融資・分割融資の手配は余裕を持って進めておいてください。

工事請負契約を締結した後にすぐ契約を解除する場合、多くのケースで、すでに支払った着工金は返却されず、契約時に支払った手付金も戻らないうえ、契約書に定められた違約金を別途支払わなければならない可能性があります。契約前の段階で計画をしっかり固めておくことが、こうした金銭的リスクを避けるうえで重要です。

一方で、住宅ローンの審査結果によって契約を解除できる「ローン特約」が契約書に盛り込まれている場合もあります。ローン特約は、金融機関に住宅ローンを申し込んだものの、希望していた金額の全部または一部が承認されなかった場合に契約を解除できるとする特約です。この特約が適用される場合、それまでにかかった実費を除いた金額が施主に返却される内容になっていることが一般的です。住宅ローンの審査に不安がある場合は、契約書にローン特約が盛り込まれているかを必ず確認しておいてください。

工事請負契約書を確認する際は、契約金・着工金・中間金・最終金といった各支払いの名称、金額、支払い時期が明記されているか、支払いが遅れた場合の取り扱いはどうなっているか、契約を解除する場合の違約金やローン特約の内容はどうなっているかを、一つずつチェックしてください。これが後々のトラブルを防ぐことにつながります。

家づくりにおける契約金・中間金の支払いは、住宅ローンが実行されるより前の段階で、まとまった金額を用意しなければならない点が特徴です。契約前に資金計画書や支払いスケジュール表の提示を求め、金額・時期・支払い方法を書面で確認し、口頭説明だけで済ませないようにしてください。住宅ローンの本融資は基本的に引き渡し時にしか実行されないため、それ以前に必要な契約金・着工金・中間金は、自己資金・つなぎ融資・分割融資のいずれかで手当てする必要があります。複数の金融機関を比較し、地盤改良や追加工事に備えた予備費も資金計画に組み込んでおくことで、無理のない家づくりが可能になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次