トイレと洗面所を一緒にして後悔?4人家族の朝の渋滞と間取りの費用

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4人家族の朝の混み合いは、トイレと洗面所を別々の空間にして、2階にもトイレか洗面台を置くと和らぎます。かかるお金は、新築の計画段階で2階にトイレを加えるなら50万円前後の上乗せ、建てた後に増設するなら50万円から100万円以上が目安です。

朝の時間帯には、家族全員が顔を洗い、歯を磨き、着替えや髪を整え、トイレにも行きます。トイレと洗面所がひとつの部屋にまとまっていると、誰か1人が入っているあいだ、残りの家族は待つしかありません。洗面と脱衣と洗濯の場所が重なった家でも、同じ待ち時間が生まれます。

水回りは、いったん据え付けると場所を動かすのが難しい設備です。大きなリフォームになれば、多額の費用もかかります。そのため、家族の人数や毎日の生活時間に合わせて、壁や配管の位置を決める前に配置を固めておくことが欠かせません。

朝の洗面所とトイレの前で順番を待つ4人家族
目次

トイレと洗面所を分けると入浴中でも洗面台が使える

トイレと洗面所を一緒にした間取りと分けた間取りの朝の使い方の比較

洗面所を独立させると、家族の誰かがお風呂に入っていても、ほかの人が気兼ねなく洗面台に立てます。トイレの隣に洗面台だけを独立させて置いた家の実例でも、家族がお風呂を使う時間を気にせず洗面台を使える点が、良かったこととして挙がっています。

お客さんを迎えるときにも違いが出ます。洗濯機の置き場や着替えの場所を見られずに手を洗ってもらえる、という意見があります。浴室の湿気や鏡の曇りに邪魔されずに洗面台を使える点も、水回りを分ける利点のひとつです。

日本の住宅で多いのは浴室と洗面室を並べてトイレを別にする形

日本の住宅で最も一般的なのは、お風呂と洗面室とトイレを一部屋ずつ独立させる形です。浴室と洗面室を隣り合わせにし、トイレだけを別の場所に設けます。

住宅では、この浴室と洗面室とトイレをまとめてサニタリーと呼びます。もとの英語sanitaryの意味は「衛生的な」で、清潔を保つための場所や設備をひとくくりにした言葉です。キッチンまで含めた水を使う場所全般が「水回り」なので、サニタリーはその一部にあたります。

洗面脱衣室もサニタリーの仲間です。浴室のすぐ隣に置いて着替えの場を兼ね、洗濯室として使われることもあります。いっぽう、洗濯機や室内物干しを置いたランドリールームの分類はユーティリティーです。ユーティリティーとは家事を効率よくこなすための空間のことです。

3点ユニットバスは居室が広くなる代わりにカビが生えやすい

水回りを分ける間取りと正反対なのが、浴室と洗面台とトイレを一つの空間に詰め込んだ3点ユニットバスです。水回りがコンパクトに収まる分、居室を広く取れます。シャワーの後にさっと掃除ができて手間が少なく、漏水事故が少ないことも長所です。

弱点はカビです。独立した洗面台がないので、歯を磨いたり顔を洗ったりしづらいと感じる人もいます。ホテルのようにすべてを一室に収めるこの形は、スリーインワン型とも呼ばれ、狭小地に建てる家や、寝室の隣に水回りを置く場合などで選ばれることがあります。

分けるほど面積が増え、居住スペースが狭くなる

水回りを分けるときの代償は面積です。洗面、脱衣、洗濯の機能をひとまとめにすれば床面積は小さく済みますが、家族が同時に使う時間帯には混み合います。分ければ混雑は和らぐものの、部屋が増える分だけ広さが要り、独立型の水回りが居住スペースを削ることもあります。

分けさえすれば快適になる、という単純な話ではありません。洗面、脱衣、洗濯のうち、どの機能で家族の動線がぶつかっているのかを整理し、面積との釣り合いを見て決めることが大切です。

洗面所と脱衣所を兼ねるなら2畳から3畳が目安

洗面所と脱衣所をひとつにまとめる場合、広さはおおむね2畳から3畳が目安です。使い方ごとの目安は次のとおりです。

広さ向いている使い方
2畳(1坪)洗面台と洗濯機を置き、隣が浴室という兼用スペースの最低限。身支度や着替えに無理なく使える
2.5畳(1.25坪)室内で洗濯物を干したい、衣類の収納も設けたい場合
3畳以上何人かで同時に使いたい、収納をたっぷり取りたい、室内干しや作業の場所にもしたい家庭。三世代同居では収納や作業台を組み合わせる想定

0.75坪に収められる場合もありますが、今の洗濯機や洗面台の大きさを考えると最小限の広さです。また、畳1枚の大きさは京間や江戸間など地域によって違うため、実際の図面では畳数よりも、洗濯機と洗面台の寸法、ドアの開け閉め、人が通る道筋を確かめることが大切です。掲示板には、同じ3畳でも部屋の形で使い勝手が変わったという声もありました。

トイレを1階と2階に設けた4人家族は住んでから良さに気づいた

体験談の筆者と夫、11歳の長男、9歳の二男の4人で暮らす家庭は、家を建てる前は1つで足りると考えていました。ところが住み始めると、2つにして良かったと感じる場面が増えたそうです。理由として挙げているのは、子どもが帰ってきたときの動線と、来客があるときの気づかいでした。

ESSEonlineの体験記では、上下階の両方にトイレを置いたことで暮らしがラクになったという声があり、朝の混雑がなくなったことや、出かける前に使いやすいことが挙がっています。住宅の掲示板には、4人以上の家族ならトイレが2つ以上あるのは自然だという書き込みも見られます。あるアンケートでは、寝室から階段を下りて1階のトイレまで行くのが面倒なので、2階にもほしいという要望が出ていました。

2階トイレを結局あまり使わない家庭もある

2か所にしても、2階のトイレが活躍するとは限りません。家が完成してから2階のトイレをよく使っているという声は少ない、とプレジデントオンラインは伝えています。掲示板でも、家族の意見がまとまらなかったり、掃除の手間を嫌ったりして、2階にはトイレをつくらなかった家庭の話が出ています。

2階トイレの費用は新築なら50万円前後、建てた後なら50万円から100万円以上

2階トイレの新築時と増設時の費用の目安を比べたグラフ

新築の段階で2階にトイレを加える場合でも、建築費は上がります。便器や換気扇だけでなくドアなどの建具も必要になるため、プレジデントオンラインは合計で50万円前後のコスト増になると試算しています。

すでに建っている家に増設する場合は、便器の交換より高くつきます。リフォーム会社が示す目安では、トイレを動かしたり新しく増やしたりする工事に50万円から100万円以上かかり、工期は3日から1週間以上です。便器と便座を取り替えるだけなら5万円から20万円で済みます。

1階のトイレから離れた場所に設けるほど、費用は膨らみます。給水管と排水管を長く延ばす必要があり、1階へ水が漏れないようにする工事も加わるからです。内訳の例は次のとおりです。

工事の内容費用の目安
トイレ本体の増設約70万円
給排水管の延長10万円から20万円
防水工事約5万円
水圧を補う増設工事(水圧が低い場合)約15万円

家を増築したうえでトイレを増設する場合は、費用相場が80万円から200万円になります。実際の金額は、建物の状態や選ぶ機器のグレードで大きく動きます。複数の会社から見積もりを取り、並べて比べると判断がつきやすくなります。

リフォーム向けでは、TOTOのネオレスト手洗器付(ワンデーリモデル)が今ある給水と排水をそのまま使って取り付けられ、工事は基本的に1日で終わります。費用は、手洗いが付くかどうか、ブースターがあるかどうか、既存の配管を動かす必要があるかどうかで大きく変わります。

2階のタンクレストイレは最低動作水圧0.05MPaのネオレストが設置しやすい

2階にトイレを置くなら、水圧も見落とせない条件です。タンクレストイレは、動くのに必要な水圧が商品ごとに違い、機種によっては2階で動作しないことがあるからです。

TOTOのネオレストは0.05MPaという低い水圧でも動くので、2階に向いています。反対に、LIXILのサティスのうちブースターのない品番と、パナソニックのアラウーノL150とS160を専用の手洗いとセットにしたタイプは、動かすのに高い水圧が要るため、2階には不向きです。

2階で水の勢いが弱いと感じる家では、タンク式を選ぶのが無難です。マンションの2階以上も水圧が足りないことが多く、設置前の確認が欠かせません。足りない水圧をブースターで補うタンクレスの製品も出ており、LIXILならサティスブースターシリーズ、TOTOならネオレストハイブリッドシリーズがその例です。

2台目の洗面台は設置した人の98%が満足している

セカンド洗面の満足度98%・設置率約18%・置き場所50.9%を示す図

トイレを増やす代わりに、洗面台を2台目として設ける方法もあります。セカンド洗面とは、ふだん使う洗面所のほかに追加する、もう1台の洗面器や手洗い器を指します。廊下や玄関の近くなど、洗面室の外に洗面化粧台を置く形も含まれ、子どもの手洗いやお化粧、掃除に使われることが多い設備です。

LIXIL調べとして紹介されたアンケートでは、2台目を設置した人の98%が満足していました。朝の混む時間帯に順番を待たずに使えること、家族が入浴中でも別の人が手洗いや歯磨きをできることが、2台目を置く利点です。

置き場所として最も多いのは「2階の廊下・ホール」で、50.9%を占めました。寝室や子ども部屋が2階にある家庭に多い配置です。2階にあれば、2階で過ごす家族が身支度をするときに1階の洗面所へ集中せずに済みます。ベランダのそばに置けば、掃除のときや外での作業にも重宝します。2階の洗面台にトイレの手洗いを兼ねさせている例もあります。

設置場所の確保が悩みになりやすいので、メーカーは間口や奥行きを抑えたコンパクトな洗面器も用意しています。

セカンド洗面の設置率は約18%、後悔の例は費用と掃除

持ち家に住む男女300名へのアンケートでは、81.7%がセカンド洗面は「ない」と答え、置いている家庭は約18%にとどまりました。

よく考えずに設置すると、予想よりお金がかかった、手入れが面倒になって使わなくなった、という後悔が生まれやすいようです。費用と置き場所を設置前にしっかり詰めておくことが大切です。置き型のベッセルボウルのように見た目を重視した洗面台は、鏡の裏側やカウンターの下にしまう場所が少ないこともあり、収納量の確認も欠かせません。

洗面台のリフォーム費用は10万円から30万円前後が中心

洗面台まわりのリフォームは、10万円から30万円前後に収まるケースが多く、工事の規模や壁と床を貼り替えるかどうかで上下します。中心の価格帯を広めに見ると、5万円から50万円です。工事の内容ごとの目安を表にまとめます。

工事の内容費用と工期の目安
洗面台本体の交換10万円から50万円(工事は半日から2日)
洗面台の設置のみ(本体と工事費の合計)20万円前後
洗面台の位置の移動、オーダーメイドのカウンターの設置100万円を超えることも珍しくない
鏡や収納のない独立した洗面台(本体のみ)2万円から3万円で売られていることもある

トイレの不満は掃除と臭いで、洋式トイレ利用者の36.8%が後悔している

平松建築が2024年に行った調査では、洋式トイレの利用者のうち36.8%が、家のトイレについて不満や後悔を抱えていました。理由として多かったのは、掃除が大変なことと臭いです。トイレと洗面所を同じ空間にまとめるなら、手入れのしやすさと空気の入れ替えは、図面の段階で確認しておきたい点です。

トイレはもともと狭いので、体を動かしやすい広さを確保することが欠かせません。扉が内開きだと中が窮屈になりやすいため、引き戸か外開きが向いています。密閉された空間になりやすく、空気がこもることや換気を気にする声が目立った調査もありました。

トイレの換気扇は24時間回しても1か月約60円

2003年以降に建てられた建物では、24時間換気の設備をつけることが義務になっています。最近の住宅は気密性が高く、換気扇を止めてしまうと、建材から出る化学物質やハウスダストが室内にたまります。窓のないトイレであれば、湿気や臭いを外に出すために換気扇は欠かせません。

気になる電気代は、トイレ用の換気扇を一日中回し続けても、ひと月に数十円から百円程度に収まるという試算がいくつも出ています。1日に2円ほど、ひと月で約60円と見積もった例もあります。

換気扇はほこりがたまると消費電力が増えるので、3か月から半年に1回程度の掃除が目安です。ドアの下に空気の通り道となる隙間(アンダーカット)がないトイレなら、ドアをわずかに開けておけば空気が回りやすくなります。

洗面所の後悔で多いのは収納不足とコンセントの位置

注文住宅の洗面所で後悔しやすいのは、収納が足りないことです。カウンターの上に物があふれるのは、しまう物の量や種類を具体的に書き出さないまま、収納スペースの大きさを決めてしまうからです。ストック品の置き場が足りない、というのが典型的な失敗です。

収納を深くすれば解決するわけでもありません。奥行きを取りすぎると奥の物が出しにくくなり、結局使わなくなった例があります。ドライヤーやヘアアイロンなど電化製品の多い今の洗面所では、コンセントが足りない、使いにくい場所にある、という不満もよく出ます。

洗面台そのものも、価格だけで適当に選ぶと高さや幅が合わず、失敗につながるケースが少なくありません。洗面台を選ぶときは、寸法の確認が欠かせません。掃除の手間を減らしたいなら、ボウルとカウンターをひとつながりに成型したタイプや、床から浮かせて壁に取り付けるフロートタイプを選ぶと、隙間や凹凸が少なくなって手入れが楽になります。

もう少し広くしておけばよかった、動線が悪くて家事がしにくい、という声も聞かれます。家族の全員が毎日入る部屋なので、使い勝手の良し悪しがそのまま暮らしの快適さを左右します。

洗面所を通ってパントリーからキッチンへ抜けられるようにし、キッチンまわりをぐるりと一周できる回遊動線にした間取りや、脱衣場の隣にクローゼットを置いてそこからキッチンへつなげた例も見られます。洗面所と洗濯機、干し場が離れてしまうと、家事の効率は落ちます。洗濯機と物干しの位置は、間取りの段階で検討しておきたい点です。脱衣所は、広さ、収納、動線、プライバシーを合わせて見ながら、長く快適に使えるかで判断することが大切です。

造作洗面台はデザインだけでなく収納力で選ぶ

造作とは、現場で職人が木材などを加工して、その部屋の寸法に合わせた家具や建具、内装を作り、取り付けることです。既製品では難しい、すき間なく収まる収納や意匠を形にできるのが強みで、統一感のある仕上がりにしやすい点もメリットです。

その代わり、費用は高額になりがちで、一度取り付けると簡単には変えられません。現場での手作業が多いぶん人件費がかさみ、設計費も必要になるので、予算が膨らみやすくなります。造作洗面台は取り入れた後で後悔する人が少なくないため、見た目だけで選ばず、どれだけしまえるかまで見ることが大切です。

トイレの配置は寝室との音と来客用トイレまで考えて決める

寝室のすぐ隣にトイレがある、あるいはトイレの排水管を通すパイプシャフトがある間取りは、今も珍しくありません。家族が立てる音は気にならなくても、上の階で流した水の音が同じ管を伝ってくることは見落とせません。シャフトと居室のあいだに、緩衝材の役目をする空間を挟む対策があります。

洗面脱衣室とトイレをひとまとまりで計画すると、そのトイレは家族が使うものとして、寝室や子ども部屋のそばに置かれがちです。その場合、お客さん向けのトイレはもう一つ必要になります。

動線も配置を決める材料になります。外から帰ってすぐ手を洗えるように、玄関と洗面所、LDKとトイレをそれぞれ近づけて配置する考え方があります。

介護のためのトイレ移設は介護保険の住宅改修費で補助が出る場合がある

介護をしやすくするためのリフォームなら、介護保険から居宅介護(介護予防)住宅改修費の補助を受けられる場合があります。福井県は、補助の対象になる工事の例に、居室の周りへトイレを移す工事を入れています。実際に使えるかどうかは、自治体の認定や要介護認定がどうなっているかで決まります。

自治体が独自に設けている補助には、新築や増築の工事、賃貸物件の改修工事を原則として対象外にしている制度があります。介護保険から給付が出る部分に二重で支給を受けることはできません。ただ、同じ改修工事のなかで、介護保険の対象部分と自治体の補助の対象部分を一緒に工事することは可能です。

国が省エネのために用意している制度は、バリアフリー化やトイレを増やす工事には、基本的に当てはまりにくいものです。リフォーム減税制度もありますが、ほかの制度と併用できない場合があります。制度の中身は年度ごとに変わるので、申請する前に、国の制度ページや住んでいる市区町村の担当窓口で最新の内容を確かめてください。

分けるなら面積と掃除の手間が増えることも見込んでおく

トイレと洗面所を分ければ朝の混雑は和らぎますが、その分だけ面積が必要になります。2階に足したトイレや洗面台は、掃除の手間も増やします。この2点を、家族の人数や生活時間と照らし合わせて決めることが大切です。

2階にもトイレを置くか迷っているなら、1階と2階のトイレの配置と失敗例をまとめた記事もあわせて読むと、家族に必要な数を考えやすくなります。

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