年収800万円台で東京マイホームは買える?2026年の予算目安と狙い目6区

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東京でマイホームを買いたいけれど、年収800万円台で本当に手が届くのか。答えは、狙うエリアを絞れば買える、が現実的な結論です。2026年7月現在、東京23区のうち19区で新築マンションの平均価格が1億円を突破しており、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は年収800万円台の共働き夫婦には届かない水準まで上昇しました。一方で、大田区・板橋区・足立区・葛飾区・江戸川区・練馬区の一部エリアなら、5,000万〜6,000万円台の予算でも3LDKの中古マンションを狙える余地が残っています。共働き世帯の平均年収がおよそ831万円(総務省家計調査2023年)とされるなか、年収800万円台は決してレアな世帯ではありません。この記事では、2026年の東京不動産市場の相場感、年収800万円台の予算で狙い目となる具体的な沿線・駅、住宅ローンの選び方までを、東京カンテイやLIFULL HOME’Sの2026年データを踏まえて整理します。

目次

年収800万円台の適正予算は5,600万〜6,000万円が目安

年収800万円台の世帯が住宅ローンを組む場合、金融機関の審査上限は年収の8〜9倍、つまり6,400万〜7,200万円程度が目安になります。ただし、これは借りられる上限であって、無理なく返せる金額ではありません。

住宅ローンの実務では、返済負担率(年間返済額÷年収)を20〜25%に抑えるのが安全ラインとされています。この基準で計算すると、年収800万円台世帯の適正借入額は4,700万〜5,900万円程度。不動産業界で使われる「年収の7倍ルール」に当てはめても、購入予算の妥当ラインは5,600万〜6,000万円前後に落ち着きます。

20〜25%の返済負担率で計算した借入額

年収800万円の場合、返済負担率20%なら年間返済160万円(月13.3万円)、25%なら年間200万円(月16.7万円)が上限の目安です。この範囲を超えると、教育費や老後資金の積立と両立させるのが難しくなります。ボーナス払いに頼る返済プランは、勤務先の業績変動を受けやすいため避けたほうが無難です。

頭金の有無で毎月の返済負担は月2〜3万円変わる

5,000万円を変動金利0.5%前後、35年返済(元利均等)で借り入れた場合、月々の返済額はおおむね12〜13万円前後です。頭金として物件価格の2割にあたる1,000万円を用意できれば借入額は4,000万円まで圧縮され、月々の返済も10万円台前半に収まります。

見落とされがちなのが購入時の諸費用です。仲介手数料、登記費用、ローン手数料、火災保険などで物件価格の3〜7%がかかります。5,000万円の物件なら150万〜350万円の追加負担が発生する計算です。頭金と別枠でこの現金を確保しておかないと、契約直前に資金ショートを起こすことになります。

変動金利は日銀利上げで上振れリスクを抱える

2024〜2025年にかけて日本銀行が段階的に利上げを行った影響で、変動金利は今後も上がる余地があります。金利リスクを避けたい世帯は、変動と固定を組み合わせるミックスローンや、フラット35のような全期間固定を選ぶ動きが増えました。金利のとり方については後段でくわしく整理します。

2026年の東京は23区中19区で新築マンションが1億円超え

LIFULL HOME’Sの2026年調査によれば、東京23区のうち19区で新築マンションの平均価格が1億円を突破しました。前年比で35%近い上昇率を見せたエリアもあり、市場全体はなお高水準にあります。

東京カンテイの2026年4月時点データでは、23区の中古マンション(70平米換算)の平均価格が1億2,724万円。中古であっても、都心の好立地物件は新築と遜色ない水準で取引されています。

中古が新築並みに値上がりした二つの背景

かつての不動産常識では「新築マンションは購入後に価格が7〜8割に下落する」と言われていました。コロナ禍後、この前提が崩れます。立地の良い大手ディベロッパー物件では、築10年でも新築時を上回る価格で売却できるケースが続出しました。マンションは資産になる、という認識が広まった結果、実需層(実際に住むために購入する人たち)が中古市場に流入し、中古の価格帯自体が押し上げられました。

東京カンテイ市場調査部の佐藤雄平研究員は「新築に手が届かなくなった実需層が中古に流れ込んだことで、中古自体の価格も上がった。特に都心の好立地物件は、今、新築と遜色ない水準で流通している」と述べています。

もう一つの要因は円安による外国人投資家の購入増加と、建設資材・人件費上昇による新築価格の高騰です。新築が高くなれば中古の割安感が増し、中古市場に需要が集中する。この連鎖が23区全体の価格を押し上げ続けています。

一部エリアでは価格上昇に陰りも見え始めた

株式会社マーキュリーの2026年1〜3月調査では、東京23区の中古マンション価格上昇に陰りが見え始めたと報告されています。高値疲れで買い手が慎重になり、成約価格が下落した物件も一部で出てきました。それでも、年収800万円台の一般ファミリー層が気軽に買える市場環境ではないことに変わりはありません。

都心6区・城南上位エリアは年収800万円台では手が届かない

年収800万円台の世帯にとって、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)はほぼ選択肢から外れます。千代田区の新築マンション平均は3億5,000万円超と唯一の3億円台。中央区・港区も2億円前後の水準です。

中古でも築10〜15年の70平米前後は1億円を超えるのが普通で、5,000万円以内は築30年以上の30〜40平米台の狭小物件に限られます。前出の東京カンテイ・佐藤研究員も「年収800万円台のファミリーが都心6区で物件を探すのは、ほぼ不可能な状況」と指摘しています。

品川区・目黒区も5,000万円以内はほぼ消滅

城南エリアの品川区・目黒区は、都心6区に次いで価格が高く、2026年時点で5,000万円以内の物件はほぼ選択肢がありません。目黒区の中古マンション平均は1億円を超えるエリアも多く、品川区も交通利便性の高さから高値水準が続いています。

同じ城南でも大田区に入ると景色が変わります。東急池上線沿線(池上、久が原、蒲田周辺)、東急多摩川線沿線(多摩川、沼部、鵜の木、矢口渡)、都営浅草線の馬込・西馬込周辺なら、中古マンションで5,000万円以内が視野に入ります。ただし田園調布や雪が谷大塚、石川台のような高級住宅街エリアは価格が跳ね上がるため要注意です。

5,000万円台で3LDKを狙える6区9エリア

年収800万円台の世帯が2026年の東京23区で3LDK前後の中古マンションを狙うなら、現実的な候補は次の6区・9エリアに絞られます。

大田区は東急池上線・多摩川線沿線が本命

蒲田・大森付近では4,000万〜6,000万円台の中古マンションが今も多く見つかります。羽田空港へのアクセスも良く、都心方面への通勤も京急線・JR京浜東北線でカバーできます。城南エリアで現実的に手が届く数少ないゾーンです。

板橋区は浮間舟渡が穴場として名前が挙がる

板橋区の中古マンション平均は4,000万〜5,000万円台と抑えめです。北区との境界付近にある浮間舟渡駅周辺は、不動産関係者の間で穴場として名前が挙がることが多いエリア。埼京線で新宿まで約25分と、都心アクセスの良さのわりに価格が落ち着いています。

足立区は23区で最も価格が抑えられている

足立区の中古マンション70平米換算平均は3,675万円(2026年時点)で、23区最安値水準を維持しています。年収800万円台なら4LDKや広めの3LDKも視野に入ります。北千住は再開発で生活利便性が大きく向上し、つくばエクスプレス、東武スカイツリーライン、日比谷線など複数路線が交わる交通結節点として評価が上がりました。

葛飾区・江戸川区はファミリー層向けの立地

葛飾区の中古マンション平均は4,163万円、江戸川区は4,845万円(70平米換算)です。葛飾区の青砥駅周辺は京成線で日暮里まで約10分と、都心アクセスは悪くありません。金町・新小岩はJR常磐線・総武線で都心勤務者に対応できます。江戸川区の葛西エリアは東西線一本で大手町・日本橋方面まで直結。江戸川区は都内でも子育て支援が手厚い区として知られ、教育環境重視の家族層に向いています。

練馬区は西武池袋線・東武東上線沿線で3LDKが探せる

練馬区の光が丘、大泉学園、石神井公園エリアなら、5,000万円前後で3LDKの中古マンションを探せる可能性があります。緑豊かな住宅地で、共働き夫婦の子育て世帯に人気が根強いエリアです。

資産価値を守るなら駅徒歩7分と大手ディベロッパー物件

購入後に売却を視野に入れるなら、資産価値の維持しやすさで物件を選ぶのが合理的です。判断軸は主に二つです。

一つは駅からの距離。徒歩10分以内、できれば5〜7分以内の物件は流動性が高く、売却時の価格下落が緩やかです。郊外や23区外であっても、駅近ならある程度の資産価値は守れます。

もう一つはディベロッパーの信頼度です。三井不動産、住友不動産、野村不動産、東急不動産、三菱地所といった大手が手掛けた物件は、築年数が進んでも価格が維持されやすい傾向があります。

2026年時点で再開発が進行中のエリア(足立区・北千住周辺、江戸川区・小岩周辺、板橋区・板橋駅周辺)を狙えば、将来的な価値上昇の余地も見込めます。

中古マンションで必ず確認すべき修繕積立金と耐震基準

中古マンションを買う場合、修繕積立金の残高と長期修繕計画は購入前に必ず確認します。築年数が古い物件は大規模修繕の時期に差し掛かっていることがあり、積立金不足だと追加徴収が発生するリスクがあります。

耐震基準の確認も同じくらい重要です。1981年(昭和56年)以前に建てられた旧耐震基準の物件は現行基準を満たしていない可能性があり、住宅ローン控除の対象外になることもあります。原則として新耐震(1981年以降)または耐震補強済み物件を選ぶのが安全策です。

リノベーション済み物件は表面がきれいでも、配管や電気系統の更新が済んでいないケースがあります。何をどこまで手を入れたのか、書面で確認するのが鉄則です。

生活環境は現地で見る、ハザードマップも必ず開く

平日朝のラッシュ時間帯に、実際に使う路線の混雑度を体験してみることをおすすめします。23区東部・北部は都心まで乗り換えなしで行ける路線が少なく、体感の所要時間が想定より長くなる場合があります。

スーパー、病院、学校、保育園の位置と使いやすさも現地で歩いて確認します。特に子育て世帯にとっては、通学区域の学校の評判や、保育園の空き状況が判断材料になります。

見落としてはいけないのがハザードマップです。城東・城北エリアは荒川・江戸川の氾濫リスクを抱える地域があり、購入前に各区の浸水・液状化リスクを確認しておく必要があります。

2026年の住宅ローン金利は変動0.9〜1.1%と固定2.9〜3.2%

2026年6月時点で、主要銀行の変動金利(最優遇金利)は0.9〜1.1%台、10年固定は2.9〜3.2%台が中心です。変動と固定の差が広がっており、どちらを選ぶかで総返済額は数百万円単位で変わります。

変動金利は現時点では低く借りられる代わりに、将来の金利上昇を引き受けることになります。「5年ルール」「125%ルール」で返済額の急変は抑えられますが、金利上昇分の利息が消えるわけではなく、大幅な上昇時には未払い利息が発生するリスクもあります。

固定金利は毎月の返済額が変わらないため家計の設計はしやすいものの、変動より2%前後高い金利を長期間払い続けることになります。

ミックスローンとフラット35で金利リスクを分散する

判断に迷う世帯は、借入額の半分を変動・半分を固定にするミックスローンを検討する余地があります。金利上昇リスクと金利高のコストをバランスさせる選択肢です。全期間固定のフラット35を選ぶ堅実派も、金利上昇局面で改めて増えました。

2026年度の住宅ローン控除改正は子育て世帯に手厚い

2026年度の税制改正で、住宅ローン控除の子育て世帯・若い世帯(夫婦どちらかが40歳未満)向けの優遇措置が拡充されました。中古住宅でも借入限度額や控除率の優遇があり、年収800万円台の共働きファミリーには恩恵が大きい制度です。購入前に税務署や不動産会社に確認し、自世帯が受けられる控除額を把握しておくと、資金計画の精度が上がります。

中古マンションか一戸建てかの判断軸は「住み替えの有無」

年収800万円台のファミリーが東京でマイホームを検討する場合、中古マンションか一戸建てかも大きな分岐点です。23区内は土地価格が高いため、同じ予算では戸建てのほうが立地が郊外寄りになりやすい傾向があります。

マンションのメリットは駅近物件の多さと、共用部を管理会社が保守してくれる点です。共働き世帯にとって清掃・管理の手間が省けるのは大きな利点で、セキュリティ面でも一般的に戸建てより安心できます。一方、管理費と修繕積立金を合わせて月2万円以上の固定費がかかり、ペットや楽器の制限、上下階との生活音トラブルといった管理規約由来の制約もあります。

戸建てのメリットは生活音トラブルの少なさと、管理規約による制限がほぼないこと。ペットを自由に飼え、子どもが多少騒いでも気を使わずに済みます。管理費・修繕積立金のような月々の固定費がない代わりに、外壁や屋根の修繕は自己負担で、購入後10〜15年で100万〜300万円程度の大規模修繕費用が必要になることが多い点は要注意です。

住み替えを前提にせず終の棲家として買うなら、戸建て(郊外含む)は有力な選択肢。将来の売却を視野に入れるなら、流動性の高い駅近マンションのほうが売りやすく、資産価値も保たれやすい。23区内で購入するなら、年収800万円台の世帯は結果的に中古マンションを選ぶケースが多くなります。

江戸川区・板橋区は子育て支援と住居費のバランスに優れる

東京都全体では、018サポート(0〜18歳への月5,000円給付)、赤ちゃんファースト(10万円相当の育児用品支援)、18歳までの医療費助成(所得制限なし)が全区市共通で受けられ、全国トップクラスの子育て支援体制が2026年時点で整っています。

各区独自の上乗せ支援では、23区内でも差があります。港区・千代田区は手当が手厚い反面、住居費が高すぎて年収800万円台の予算には合いません。コストパフォーマンス重視なら、板橋区・葛飾区・足立区・江戸川区は自治体の子育て支援と住居費のバランスが取りやすいエリアです。

保活(保育園入園活動)は待機児童数こそ年々減少していますが、人気エリアでは希望通りの保育園に入れないケースが今もあります。購入検討エリアの保育所定員数や申込倍率は、事前に区役所ホームページで確認しておくのが安全です。小学校区(学区)の評判や特色も、後悔のないエリア選びに直結します。

まとめ:年収800万円台の東京マイホームは23区の東側と北側で狙う

2026年7月時点の東京マンション市場は、依然として価格上昇が続く厳しい環境です。都心6区では年収800万円台の世帯が現実的に買える物件はほぼなく、城南上位の品川区・目黒区でも5,000万円以内は消えつつあります。

それでも、東京でマイホームは無理と諦める必要はありません。大田区(東急池上線・多摩川線沿線、馬込・西馬込)、板橋区(浮間舟渡、東武東上線沿線)、足立区(千住大橋、北千住、西新井)、葛飾区(青砥、金町、新小岩)、江戸川区(小岩、葛西、瑞江)、練馬区(光が丘、大泉学園、石神井公園)の6区9エリアなら、5,000万〜6,000万円前後で3LDKの中古マンションを狙う余地が2026年時点でも残っています。

判断基準は都心への近さだけでなく、通勤・通学の利便性、生活環境、物件の資産性(売りやすさ)、ハザードマップのリスクを総合的に見ることです。再開発や交通インフラ整備が進むエリアを選べば、将来の資産価値も守りやすくなります。

今が高いから、もっと下がるまで待とう、という判断は難しい局面です。東京の不動産は長期的に見ると、利便性の高いエリアの価格が維持・上昇する傾向が続いており、安くなるのを待って結局買えなかった、という後悔をした人も少なくありません。一方で、無理をして買えば家計を圧迫します。住宅ローン返済額が手取りの25〜30%以内に収まり、教育費や老後資金と両立できるタイミングが、自分にとっての買い時と考えるのが合理的です。

不動産会社の担当者だけでなく、ファイナンシャルプランナー(FP)にも相談することをおすすめします。多くのFPは無料または低コストで、住宅ローンの選び方から資金計画まで相談に乗ってくれます。年収800万円台の東京マイホーム購入は、エリアと物件の見極めさえ間違えなければ、2026年でも十分に現実の話です。

(参考データ:総務省「家計調査」2023年、東京カンテイ2026年1〜4月調査、LIFULL HOME’S 2026年調査、株式会社マーキュリー2026年1〜3月調査)

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