地盤改良工事で追加費用が発生するトラブル事例と対策まとめ

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地盤改良工事では、追加費用が発生してトラブルに至る事例が、契約後に地盤調査を実施した段階で相次いでいます。工事着工後になって「柱状改良で120万円」「造成工事で380万円」といった見積もりを示され、当初の資金計画が崩れる住宅取得者が後を絶ちません。公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する住まいるダイヤルには、こうした追加費用をめぐる相談が繰り返し寄せられています。この記事では、追加費用が発生する具体的な原因と、実際に寄せられたトラブル事例、契約前にできる対策を整理してお伝えします。

目次

地盤改良工事は軟弱地盤を強化する工事、調査結果が出るまで内容が決まらない

地盤改良工事とは、建物を建てる土地の地盤が軟弱で、そのままでは建物の重さを支えきれないと判断された場合に、地盤の強度を高めるために行う工事です。軟弱な地盤に住宅を建ててしまうと、不同沈下と呼ばれる、建物が均等でなく傾きながら沈む現象を引き起こし、建物が傾いたり最悪の場合は倒壊につながったりする恐れがあります。そのため住宅を建てる前には地盤調査を行い、その結果に応じて必要な工事を実施することが求められています。

地盤改良工事が必要かどうか、どの工法を選ぶかは、地盤調査の結果次第で大きく変わります。この「調査をしてみないと分からない」という性質が、追加費用トラブルの根本的な原因になっています。契約時点では地盤の状態が確定していないため、後から想定外の工法や費用が判明する構造になっているわけです。

地盤調査はSWS試験が主流、費用5万円から10万円ながら限界も残る

一般的な戸建て住宅で最もよく用いられる地盤調査の方法は、スウェーデン式サウンディング試験です。現在の正式名称はSWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)といいます。この調査では、建物の四隅と中央の計5カ所でロッドを回転させながら地盤に貫入させ、地盤の強度を測定します。費用相場は1回につき5万円から10万円前後です。

SWS試験のほかにも、より精密なボーリング調査など複数の調査方法がありますが、コストと手軽さの面から戸建て住宅ではSWS試験が採用されることがほとんどです。ただしこの調査はあくまで地盤の抵抗値を測るものであり、土質や地下水位、埋設物の有無まで完全に把握できるわけではありません。この調査の限界も、着工後に想定外の事態が発覚し追加費用が生じる一因になっています。

表層改良や柱状改良、鋼管杭の費用は30万円から200万円まで工法次第で変わる

地盤改良工事には、軟弱地盤の深さや状態に応じていくつかの工法があります。代表的な3つの工法と費用相場は次の通りです。

工法対象となる深さ坪単価30坪の総額目安
表層改良工法地表から2メートル程度1万円〜7万円30万円〜90万円
柱状改良工法地表から2〜8メートル程度3万円〜5万円50万円〜100万円
鋼管杭工法8メートルを超える深さ5万円〜7万円100万円〜200万円

表層改良工法は土とセメント系固化材を混ぜ合わせて地盤を固める工法で、3工法の中では最もコストが低く、工期も短い傾向にあります。柱状改良工法は地面に柱状の穴を掘削し、セメント系固化材を流し込んで柱状の改良体を作り建物を支える工法です。鋼管杭工法は鋼管でできた杭を支持層と呼ばれる硬い地盤まで打ち込んで建物の土台とする工法で、3工法の中で最も高額になりやすくなっています。

どの工法が必要になるかによって、費用は数十万円から数百万円まで変動します。契約時点で工法が確定していない場合、後から想定より高額な工法が必要と判明し、追加費用トラブルに発展するケースが多く見られます。2026年時点の複数の専門サイトの情報を総合すると、地盤改良工事全体の費用相場は一戸あたり50万円から200万円程度、地盤調査費用は5万円から15万円程度とやや幅を持って紹介されています。地盤が良好であれば地盤改良工事そのものが不要と判定されるケースもあり、すべての土地で追加費用が発生するわけではありません。ハザードマップや周辺地域の地盤情報、過去の土地利用履歴を事前に確認しておくことも、地盤リスクをある程度予測する材料になります。

追加費用の発生原因は契約後の調査から埋設物の発見まで複数のパターンがある

複数の相談事例を総合すると、地盤改良工事で追加費用が発生する原因にはいくつかのパターンがあります。

最も多いのが、工事請負契約を結んだ後に地盤調査を行い、その結果地盤補強が必要と判明して、追加費用の見積書が後出しで提示されるケースです。契約前に地盤調査が完了していない場合、この種のトラブルは起こるべくして起こる構造になっています。

工事を進める中で、以前建っていた建物の基礎の残骸や大きな岩、遺跡や埋蔵文化財などの埋設物が地中から発見されることもあります。これらの撤去作業には別途費用がかかり、内容によっては大規模な追加費用につながります。中古の土地や、過去に別の建物が建っていた土地では特にこのリスクが高まります。

鋼管杭工法などで杭を打ち込む際、想定していた深さで硬い支持層に到達せず、より深くまで杭を打ち込む必要が生じるケースもあります。この場合、杭の本数や長さの追加により費用が増加します。

農地や造成地の中には、腐植土と呼ばれる有機質を多く含む土が含まれる土地があり、こうした土壌ではセメント系固化材による改良がうまく効果を発揮しない場合があります。この場合、より高コストな工法への変更を余儀なくされます。

セメント系固化材を使用する地盤改良工事では、まれに六価クロムが溶出するリスクがあり、溶出試験や対策が必要になる場合もあります。これも想定外の追加コストとなり得る要素です。

このほか、重機の稼働に伴う騒音や振動、粉じんについて近隣から苦情が寄せられ、対応費用や工法変更が必要になるケースや、掘削した残土や産業廃棄物の処分費用が想定より膨らむケースもあります。

住まいるダイヤルには追加500万円を提示された事例など複数の相談が寄せられている

ここでは、公的な相談窓口や報道機関に寄せられた、地盤改良の追加費用に関する実際の相談事例を紹介します。

新潟日報の生活情報サイトが紹介した事例では、工事請負契約を締結した後に地盤調査を実施したところ、地盤補強が必要と判明し、追加費用の見積書が後から提示されたというトラブルが起きています。新潟日報はこの事例を通じて、設計前の段階で地盤調査を実施し、地盤調査費用や地盤改良が必要になった場合の増額の見込み額について事前に事業者へ確認し、あらかじめ予算に組み込んでおくことの重要性を伝えていました。

住まいるダイヤルに寄せられた相談事例では、当初の工事請負代金2500万円に対し、施工業者から追加工事費として500万円が必要だと告げられました。その内訳は柱状改良120万円、造成工事380万円というもので、当初契約額の2割にあたる高額な追加費用が工事着工後に提示された形になります。

同じく住まいるダイヤルの事例では、当初2900万円で契約し、その後の追加変更などを経て3300万円まで工事金額が膨らんだ段階で、ようやく地盤調査が実施されました。その結果、地盤補強のために100万円の追加費用が必要と判明し、建築主からクレームが寄せられています。地盤調査のタイミングが遅れたことで、建築主が予算計画を立てにくくなり、不信感につながった例といえます。

弁護士ドットコムに寄せられた相談の中には、工務店から地盤改良工事費として350万円の見積書を提示されたものの、その根拠について十分な説明がなく、納得できないまま契約を迫られたというケースもあります。金額の妥当性そのものよりも、説明が不十分であることが不信感やトラブルの引き金になっている例も少なくありません。

住宅設備関連の専門サイトでは、施主側から「見積額より安い地盤改良で済ませてほしい」と依頼されるケースについても取り上げられています。安全性を犠牲にした値引き交渉に応じるべきか、妥協点をどう探るべきかという、施工業者側から見た難しい判断を迫られる場面も存在します。

住宅再建の解決支援を行う相談機関にも、地盤改良工事に関するトラブル相談が寄せられています。契約内容や工事内容の食い違い、追加費用の妥当性をめぐる争いなど、当事者同士の話し合いだけでは解決が難しく、第三者機関への相談に至るケースが一定数あります。

これらの事例に共通しているのは、地盤調査のタイミングが契約後にずれ込んでいること、追加費用の内訳や根拠についての説明が不十分であること、施主側が事前に増額の可能性を認識できていなかったことです。

追加費用トラブルを防ぐには契約前の地盤調査と書面契約が有効

地盤改良工事の追加費用トラブルを防ぐためには、いくつかの対策が有効です。

最も確実な対策は、工事請負契約を結ぶ前の設計段階で地盤調査を実施し、地盤改良の要否と概算費用を把握しておくことです。契約後に調査を行う流れになっている場合、追加費用が発生するリスクを常に抱えたまま契約することになります。

どうしても契約前に地盤調査ができない場合は、少なくとも地盤調査費用がいくらか、調査結果によって地盤改良や基礎の設計変更が必要になった場合に費用がどの程度増額する可能性があるかを事業者に確認し、あらかじめ資金計画に組み込んでおきましょう。

見積書を受け取った際は、工法の種類、坪単価、施工範囲、産廃処分費、近隣対応費などの内訳が明記されているかを確認します。「地盤改良工事一式」といった大まかな記載のみで内訳が不透明な場合は、業者に説明を求めることが重要です。

国土交通省が公表している発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドラインでは、追加工事や変更工事が発生した場合、その着工前に書面による契約変更を行うことが求められています。口頭のみで追加工事の依頼や承諾を行うと、後になって言った言わないの水掛け論に発展しやすく、トラブルの温床になります。追加費用が発生する際は、着工前に工事請負変更契約書などの書面で金額や内容を確認する習慣をつけましょう。

施工業者には、地盤をきちんと調査し、それにふさわしい基礎構造や工法を選択する義務があります。契約後に地盤調査を行う予定になっている場合、施工業者は調査結果によって追加費用が発生する可能性があることを、契約前の段階で説明する責任を負います。契約前にこうした説明が一切なかった場合、後のトラブル時に施主側の立場を主張しやすくなります。

契約内容や追加費用の妥当性について当事者間で折り合いがつかない場合は、住まいるダイヤルや弁護士ドットコムのような法律相談サービス、国民生活センターの窓口など、第三者の相談機関を活用することも有効な手段です。住まいるダイヤルは建設業法に基づく指定住宅紛争処理機関でもあり、住宅に関する専門的な相談に対応しています。

地盤改良を怠ると瑕疵担保責任が問われる、名古屋高裁と東京地裁の判例も

追加費用の問題だけでなく、地盤改良工事を怠った結果として不同沈下などの被害が生じた場合の法的責任についても押さえておく必要があります。

建築基準法施行令第38条では、建物の基礎の構造について、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して定めた構造方法を用いるものと規定されており、地盤の状況によっては基礎ぐいを用いた基礎構造とするか、地盤改良工事を行うなどの措置を講じることが求められています。軟弱地盤と判明しているにもかかわらず地盤改良工事を行わずに建築を進めることは、法令上も問題があるとされているのです。

名古屋高等裁判所は2010年1月20日の判決で、地盤改良工事を実施しないまま建物の荷重がかかると地盤沈下が発生する可能性が高いような軟弱地盤の土地について、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うと判断しました。東京地方裁判所も2001年6月27日の判決で、建物の基礎工事について抜本的なやり直しが必要となり、経済的合理性の範囲内で修補できないと認められる場合には、契約の解除が認められるとしています。

施主の意向によって地盤改良工事を実施しなかった結果として不同沈下が発生した場合であっても、地盤調査会社から地盤改良が必要という調査結果が出ていた以上、専門知識を持つ施工業者側が瑕疵担保責任を免れることは難しいとされています。施工業者が単に施主の指示に従っただけでは免責されず、専門家としての説明や助言の義務が重視されるということです。

住まいるダイヤルに寄せられた相談の中には、地盤調査の結果と地盤保証会社の判断が異なっており、地盤改良工事をせずに不同沈下した場合の施工業者の責任を知りたいという趣旨のものもあります。地盤保証制度と実際の施工判断の間で見解の相違が生じるケースは、実務上珍しくありません。土地の売買契約においても、軟弱地盤であることが隠れた瑕疵に該当するかどうかが争点となることがあります。

こうした裁判例や相談事例からわかるのは、地盤改良工事にまつわるトラブルが単なる金額交渉の問題にとどまらず、建築基準法上の基準や瑕疵担保責任、現在の民法でいう契約不適合責任といった法的な枠組みの中で判断される場合があるということです。追加費用の請求に納得がいかない場合や、施工後に不同沈下などの不具合が発生した場合は、感情的な交渉に終始せず、こうした法的根拠を踏まえたうえで専門家に相談することが望ましいといえます。

地盤保証は10年から20年、保証会社の判定基準が費用を左右する

追加費用トラブルと合わせて理解しておきたいのが地盤保証制度です。これは、住宅を建てる事業者が地盤保証会社に申し込みを行い、地盤調査データを保証会社が分析・評価したうえで、保証会社が提案する基礎仕様や地盤改良工事の内容を実施することで保証書が発行される仕組みです。

保証期間は基礎工事着工日を起点として、10年または20年間とされているのが一般的です。従来は10年保証が主流でしたが、近年では圧密沈下と呼ばれる、時間をかけてゆっくりと進行する沈下現象により、着工から10年前後で建物の傾きが表面化するケースがあることから、20年保証を選ぶ施主も増えています。この保証は、保証対象となった地盤改良工事に起因して不同沈下が生じ、それによって建物に不具合が発生した場合の修復費用をカバーするものです。

ここで注意したいのは、地盤保証会社が提案する地盤改良の内容と、実際に施工会社が想定していた工法や費用との間に食い違いが生じることがある点です。保証を受けるためには保証会社の指示に従った工法を選択せざるを得ず、結果として当初の想定より高額な地盤改良工事が必要になり、追加費用が発生するというパターンも存在します。保証を付けること自体は施主にとって安心材料になりますが、保証会社の判定基準によって工法や費用が左右されうるという点は、契約前に理解しておく価値があります。

土地購入前は重ねるハザードマップとKuniJibanで地盤リスクを確認できる

地盤改良の追加費用トラブルを未然に防ぐには、土地を購入する前の段階でその土地の地盤リスクをある程度把握しておくことも有効です。国土交通省が提供する重ねるハザードマップでは、住所を入力し「土地の特徴・成り立ち」から「地形区分に基づく液状化の発生傾向図」を選択すると、エリアごとの液状化リスクが色分けされた地図で表示されます。国土地盤情報検索サイトのKuniJibanでは、周辺エリアの柱状図を閲覧し、地中の土質やN値と呼ばれる地盤の硬さを示す指標をあらかじめ確認できます。

これらの公的なツールはあくまで参考情報であり、個別の土地の正確な地盤状況を保証するものではありませんが、契約前に大まかな傾向をつかんでおくことで、地盤改良工事が必要になる可能性や液状化対策工事のような追加費用が発生するリスクをある程度予測する材料になります。埋立地や旧河川敷、沼地や田畑を造成した土地などは液状化や軟弱地盤のリスクが相対的に高いため、こうした土地を検討する際は事前の情報収集がより重要になります。

中古住宅や中古の土地を購入する場合には、売買契約書の段階で、地盤に関する有償調査の実施可否や、調査の結果として改良工事が必要になった場合の費用負担をどちらが負うのかを明記しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。土地の売主と買主のどちらが地盤改良費用を負担するのかが契約書上あいまいなまま取引が進んでしまうと、着工後に発覚した軟弱地盤をめぐって当事者間の争いに発展しかねません。

近隣対応を怠ると追加のトラブルやコストにつながる

地盤改良工事は重機を使用する工程が多く、施工中の騒音や振動、粉じんが近隣住民の生活に影響を与えることがあります。工事着工前に近隣へ工事内容や工期についてあいさつや説明を行っておくことは、追加費用そのものを防ぐわけではありませんが、近隣対応に関する追加のトラブルやコスト発生を未然に防ぐ意味で重要です。

業者選びは相見積もりと内訳確認が基本、地盤保証の有無も比較材料に

追加費用トラブルを避けるうえでは、地盤改良工事を依頼する業者選びの段階での確認作業も重要です。複数の業者から相見積もりを取り、金額だけでなく工法の妥当性を比較することが基本になります。同じ地盤調査結果に対して、必要以上に高額な工法が選定されていないか、逆に安全性を軽視した安価な工法が提案されていないかを、複数社の提案を照らし合わせることで見極めやすくなります。

比較の際には、金額の多寡だけでなく、地盤保証の有無とその条件や保証年数、調査や施工の実績、過去の対応事例なども確認しておくとよいでしょう。見積書の内訳が「地盤改良工事一式」のようにあいまいな記載にとどまっている場合は、遠慮せず明細の提示を求めることが推奨されます。内訳が不明瞭なまま契約してしまうと、着工後に想定外の作業だったという理由で追加請求される余地を業者側に残してしまいます。

契約前には現地調査を依頼し、担当者から地盤の状況や想定される工法について詳細な説明を受けることも大切です。地域の建設業協会や消費者センターに相談し、検討している業者についての評判や過去のトラブル事例の有無を確認することも、契約前にできる有効な自衛策のひとつです。

残土処分費と地中埋設物の撤去費用も見落としやすい追加費用

地盤改良工事に付随して見落とされがちなのが、残土処分費です。残土とは、住宅を建設する際に基礎を設けるために地面を掘削したことで発生する余分な土を指し、その処分にかかる費用が残土処分費です。建設発生土は原則として産業廃棄物には該当しませんが、瓦礫やコンクリート片などの不純物が混入している場合には、廃棄物として分別処分するか、産業廃棄物として処分する必要が生じるケースがあります。

残土処分費の内訳は、主に残土を運び出すための重機費用と、処分場まで運搬するための運搬費用で構成されており、掘削した土量や運搬距離によって変動します。持ち込み先のストックヤードや処分場によっては、残土の種類によって受け入れ可否が異なる場合もあるため、事前の確認が必要です。地中埋設物が発見された場合の撤去費用も同様に、埋設物の種類や量、撤去に要する重機や人員によって費用が変動するため、見積もり段階でこれらの項目がどこまで含まれているかを確認しておくことが、追加費用トラブルを防ぐうえで見落とせないポイントです。

資金計画の段階で地盤改良費用を予備費として組み込んでおく

住宅ローンを利用して新築住宅を建てる場合、地盤改良工事の費用は建築本体価格とは別枠で発生することが多い点にも注意が必要です。建物本体の見積もりに気を取られていると、地盤調査や地盤改良にかかる費用が資金計画から漏れてしまい、契約後に慌てて追加の借入や自己資金の捻出を迫られるケースがあります。

地盤改良工事が必要かどうかは、実際に地盤調査を行わなければ判断できないため、住宅取得の資金計画を立てる段階から、あらかじめ地盤調査費用と、地盤改良が必要になった場合の想定費用の両方を予備費として組み込んでおくことが望ましいといえます。土地探しの段階では、建物本体の予算だけでなく、造成費用や地盤改良費用も含めて土地に充てられる実質的な費用は総額いくらまでかという視点を持って土地を検討することが、資金計画全体の破綻を防ぐうえで重要です。住宅ローンの審査や借入額を検討する際にも、地盤改良費用が想定以上に膨らむ可能性を見込んだうえで、余裕を持った資金計画を立てておくことが安心材料になります。

地盤調査のセカンドオピニオンは過大な改良工事を防ぐ選択肢になる

提示された地盤改良工事の内容や費用に疑問を感じた場合、地盤改良工事を請け負わない第三者の専門会社に地盤調査データを見てもらう「セカンドオピニオン」というサービスも存在します。地盤調査を行った会社の結果だけに頼るのではなく、客観的な第三者の立場からデータを分析してもらうことで、不必要に過大な地盤改良工事を防ぐことを目的としたサービスです。

背景には、調査データが不十分なまま不適切な改良工法が提案されたり、施工業者の利益や対応可能な工法の制約から、本来は必要のない範囲まで地盤改良を勧められたりするケースが一部にあります。セカンドオピニオンサービスは地盤改良工事そのものを請け負わない会社が提供することが多く、利害関係を持たない立場から中立的な判定を行える点が特徴です。想定される主な利用場面としては、改良が必要と判定されたが実際には不要ではないかという場合と、逆に改良は不要と判定されたが実際には必要ではないかという場合の両方があります。提示された地盤改良工事の妥当性に不安がある場合は、契約前にこうした無料相談やセカンドオピニオンサービスを活用し、複数の専門的な視点から判断材料を集めることも、追加費用トラブルを避けるための有効な手段のひとつです。

地盤改良工事の追加費用対策は契約前の調査と書面確認に集約される

地盤改良工事の追加費用トラブルは、多くの場合、地盤調査のタイミングの遅れと、事前説明や書面契約の不足という2つの要因が重なって発生します。表層改良や柱状改良、鋼管杭といった工法ごとに費用相場は大きく異なり、実際にどの工法が必要になるかは地盤調査の結果次第です。契約前に地盤調査を済ませる、あるいは調査結果次第でどの程度の増額があり得るかを事前に確認し予算に組み込んでおくことが、追加費用トラブルを避ける最も有効な方法です。

万が一契約後に高額な追加費用を提示された場合は、その内訳と根拠について業者に説明を求めるとともに、建設業法で定められた書面による契約変更の手続きが取られているかを確認しましょう。当事者間での解決が難しい場合は、住まいるダイヤルなどの専門相談窓口を活用することで、適切な解決につながる可能性があります。地盤という見えない部分への理解と事前準備が、後悔のない住宅取得につながります。

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