2026年度の税制改正において、住宅ローン減税の対象からハザードエリア(レッドゾーン)が除外される方向で検討が進められています。対象となるのは災害危険区域、土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域、津波災害特別警戒区域などの危険区域で、2025年12月現在、政府・与党によって具体的な制度設計が議論されています。住宅購入を検討している方は、ハザードマップポータルサイトや市区町村の窓口で購入予定地が対象区域に該当しないかを事前に確認することが重要です。
住宅ローン減税は、住宅購入者にとって最も重要な税制優遇制度のひとつです。年末のローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税から控除されるため、住宅購入の経済的負担を大きく軽減できます。しかし、2026年度の税制改正では、災害リスクの高いエリアでの住宅建設を抑制する目的で、一定のハザードエリアが減税対象から除外される見込みです。この記事では、住宅ローン減税制度の基本的な仕組みから、ハザードエリア適用除外の詳細、そして自分の購入予定地が対象区域かどうかを確認する方法まで、詳しく解説していきます。

住宅ローン減税制度の基本的な仕組みとは
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して住宅を新築・取得・増改築する際に、毎年の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。控除期間は新築住宅の場合で最大13年間、中古住宅の場合は10年間となっています。所得税から控除しきれない金額がある場合は、翌年の住民税からも一部控除されます。
この制度は住宅取得者の金銭的負担を軽減し、住宅購入を促進することを目的として設けられました。国土交通省の統計によると、2023年度に新築住宅を購入した人のうち約7割がこの制度を利用しており、住宅購入において非常に重要な支援制度として位置づけられています。
2025年度における住宅ローン減税の適用条件
2025年度の住宅ローン減税を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。まず、合計所得金額が2,000万円以下であることが求められます。また、住宅購入後6ヵ月以内に入居し、住宅ローン控除を受ける年末まで住み続けることが条件となっています。住宅ローンの返済期間は10年以上である必要があり、居住用部分の面積が2分の1以上、床面積が50平方メートル以上であることも要件に含まれます。
ただし、新築住宅で床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の物件については、2025年12月31日以前に建築確認を受けた場合に限り、合計所得金額が1,000万円以下の年に控除の対象となります。
借入限度額は住宅の省エネ性能と世帯区分で決まる
2025年入居の場合、借入限度額は住宅の省エネ性能と世帯区分によって異なります。新築住宅・買取再販住宅における認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合、子育て世帯・若者夫婦世帯では5,000万円、その他の世帯では4,500万円が限度額となります。ZEH水準省エネ住宅については、子育て世帯・若者夫婦世帯で4,500万円、その他の世帯で3,500万円です。省エネ基準適合住宅では、子育て世帯・若者夫婦世帯が4,000万円、その他の世帯が3,000万円となっています。
中古住宅の場合は、認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅いずれも借入限度額は3,000万円で、最大控除額は210万円となります。
| 住宅の種類 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | その他の世帯 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
子育て世帯・若者夫婦世帯の定義について
令和7年度税制改正において、子育て世帯・若者夫婦世帯が令和7年に新築住宅等に入居する場合には、借入限度額について令和4・5年入居の場合の水準が維持されることになりました。ここでいう子育て世帯・若者夫婦世帯とは、年齢19歳未満の扶養親族を有する者、または年齢40歳未満で配偶者を有する者、もしくは年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者を指します。該当するかどうかは、入居した年の12月31日時点の現況により判定されます。
省エネ基準適合が必須要件に
2024年・2025年に新築住宅に入居する場合、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、原則として住宅ローン減税を受けるには省エネ基準に適合する必要があります。省エネ基準を満たさない「その他の住宅」については借入限度額が0円となり、住宅ローン控除の対象外となります。
ただし、2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前の住宅については、借入限度額2,000万円、控除期間10年間として住宅ローン減税が適用される経過措置が設けられています。
2026年度税制改正で検討されているハザードエリア適用除外とは
2026年度の税制改正において、政府・与党は災害の危険性が極めて高いエリアの住宅について、住宅ローン減税の対象から除外する方向で検討を進めています。住宅ローン減税は2025年末が適用期限となっており、政府・与党は期間を延長する方針ですが、今回の延長に伴い「レッドゾーン」と呼ばれる危険区域を減税対象から外す方向で議論が行われています。
これまでの住宅ローン減税制度において、立地に関する条件は設けられていませんでした。今回の改正では、ハザードエリアに制限を設けることで、災害の危険性が高い区域での新たな住宅建設を抑制することが狙いとされています。
適用除外の対象として検討されている区域
住宅ローン減税の対象外として検討されている区域は、主に以下のようなレッドゾーンです。災害危険区域は、建築基準法第39条に基づき地方公共団体が条例で指定する区域で、津波、高潮、出水等による危険が著しい区域として定められています。土砂災害特別警戒区域は、急傾斜地の崩壊や地滑りなどの土砂災害が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民の生命や身体に著しい危害が生じるおそれがある区域です。浸水被害防止区域は、洪水や雨水出水により建築物が損壊し又は浸水し、住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域となっています。津波災害特別警戒区域は、最大クラスの津波が発生した場合に建築物に損壊が生じ、または浸水し、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域です。
制度変更が検討される背景
この制度変更の背景には、政府が推進する「安全・安心な住生活」の実現があります。近年、自然災害が頻発・激甚化する中で、災害ハザードエリアにおける新たな住宅建設を減らし、住民をより安全な地域へ誘導することが目的として掲げられています。
災害ハザードエリアにおける開発等の抑制については、既に先行事例があります。土砂災害特別警戒区域等の区域に立地する一定の住宅(令和4年4月1日以降に取得されるものに限る)については、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用対象外とされています。今回の住宅ローン減税の適用除外は、この流れを踏襲するものといえます。
2026年度税制改正大綱の公表予定
2026年度税制改正大綱は、2025年12月中旬頃に公表される予定です。住宅ローン減税の延長および控除率や控除期間、住宅性能等による控除額の差、子育て世帯等の優遇などの詳細が注目されています。国土交通省は2026年度の税制改正要望に住宅ローン減税の延長などの住宅取得促進策を盛り込んでおり、来年以降も住宅ローン減税は延長される可能性があります。ただし、継続となった場合でも借入限度額や控除率の見直しなど、内容が変更になる可能性もあります。
ハザードエリアの種類と定義を詳しく解説
住宅購入を検討する際には、購入予定地がどのようなハザードエリアに該当するかを理解しておくことが重要です。ここでは、各種ハザードエリアの定義と特徴について詳しく解説します。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の概要
土砂災害警戒区域は、土砂災害により住民の生命や身体に危害が生じるおそれがあると指定された区域で、一般的に「イエローゾーン」と呼ばれています。土砂災害防止法に基づき、都道府県が基礎調査を実施し、危険性が認められると土砂災害警戒区域として指定されます。イエローゾーンに指定された区域では、市町村による警戒避難体制の整備が行われるほか、宅地建物取引における重要事項説明の対象となります。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の規制内容
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、イエローゾーンの中でも特に災害のリスクが高く、建物が壊れるなど大きな被害が出るおそれが大きい区域です。急傾斜地の崩壊や地滑りなどの土砂災害が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民の生命や身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域として指定されます。
レッドゾーンに指定されると、特定開発行為に対する許可制、建築物の構造規制、住宅の建築に関する制限といった規制がかかります。特定開発行為とは、自己用以外の住宅並びに社会福祉施設、幼稚園、病院等の要配慮者利用施設の建築のための開発行為であり、知事の許可が必要となります。
災害危険区域の建築制限について
災害危険区域は、建築基準法第39条の規定に基づき、地方公共団体が条例で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域として指定する区域です。建築基準法第39条では「地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる」と規定されています。
災害危険区域では、住居用建物(戸建て住宅、マンションなど共同住宅、福祉施設など)の建築が原則禁止されます。ただし、各自治体が定める条件を満たすことで建築が許可される場合もあります。住居用以外の建物(店舗・事務所・工場・倉庫など)については、基本的に建築が可能です。
津波災害警戒区域と津波災害特別警戒区域の違い
津波災害警戒区域は、津波防災地域づくり法に基づき、最大クラスの津波が発生した場合に住民等の生命・身体に危害が生ずるおそれがある区域として都道府県知事が指定する区域です。
津波災害特別警戒区域には「オレンジゾーン」と「レッドゾーン」の2種類があります。オレンジゾーンは、津波災害警戒区域のなかで、最大クラスの津波が発生した場合に建築物に損壊が生じ、または浸水し、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域であって、特に防災上の配慮を要する方々が利用する社会福祉施設、学校、医療施設の建築とそのための開発行為に関して、居室の床面の高さや構造等を津波に対して安全なものとするために都道府県知事が指定する区域です。
レッドゾーンは、オレンジゾーンのうち特に迅速な避難が困難な区域で、住宅など市町村の条例で定める用途の建築とそのための開発行為に関して、居室の床面の高さや構造等を津波に対して安全なものとするために市町村の条例で指定する区域となっています。
浸水被害防止区域とは
浸水被害防止区域は、洪水や雨水出水により建築物が損壊し又は浸水し、住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域として、都道府県知事が指定する区域です。この区域では、住宅や要配慮者利用施設等の建築に関して許可制が導入されています。
ハザードエリアの確認方法と活用できるツール
自分が購入しようとしている土地や物件がハザードエリアに該当するかどうかを確認する方法は複数あります。ここでは、主な確認方法について詳しく解説します。
ハザードマップポータルサイトで簡単に確認する方法
国土交通省では、防災に役立つ様々な情報をより便利に、より簡単に活用できるようにするため、「ハザードマップポータルサイト」を運営しています。このサイトのURLは https://disaportal.gsi.go.jp/ です。
ポータルサイトには「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の2種類があります。重ねるハザードマップでは、災害情報や地形の特徴などを地図や写真に重ねて表示できます。地域を選択できるため自由度が高く、日本全国の災害状況が確認できます。洪水、内水氾濫、高潮、津波等による浸水想定区域と浸水深、土砂災害警戒区域等、地形分類、自然災害伝承碑、指定緊急避難場所などを地図上に重ね合わせて簡単に確認することができます。
わがまちハザードマップは各市区町村が作成したもので、ハザードマップポータルサイトにリンクが集約されているため、各市区町村のホームページを探さなくても、ポータルサイト経由で簡単にアクセス可能です。
市区町村の役場窓口での確認方法
市区町村役場の窓口ではハザードマップの提供を行っており、自治体のホームページからでも入手できます。ハザードマップは市区町村の役所や役場で入手できるほか、公式ホームページで公開している市区町村ではインターネットを使って確認することも可能です。
土砂災害特別警戒区域の確認手順
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)及び土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に関する告示図書(図面等)は、県砂防課、所在地を所管する県の土木事務所(治水事務所)及び市町村の役所・役場で確認できます。
各都道府県では、インターネットでも確認できるシステムを整備しています。例えば、宮城県では「宮城県砂防総合情報システム(MIDSKI)土砂災害警戒区域等確認マップ」、鹿児島県では「土砂災害警戒区域等マップ」といったシステムが提供されています。ただし、更新時点が最新でない場合がありますので、必ず告示図書を併せて確認することが重要です。
災害危険区域の確認方法
災害危険区域については、各自治体の建築指導課や都市計画課で確認できます。また、不動産取引(売買・交換・賃借)においては、宅地建物取引業者は対象物件が「災害危険区域」内である旨を記載した重要事項説明書を交付し、説明を行わなければならないと宅建業法第35条第1項第14号で定められています。
防災アプリの活用も有効
スマートフォン用のアプリの中には、災害情報共有システム「Lアラート」の情報が活用されている防災アプリが複数あります。避難所の情報や避難指示・勧告のほか、交通情報まで入手できるものもあり、日常的な防災対策として活用することをお勧めします。
フラット35Sにおけるレッドゾーン規制の先行事例
住宅ローン減税のハザードエリア適用除外に先駆けて、フラット35Sでは既にレッドゾーンにおける利用制限が実施されています。
2021年から始まったフラット35Sの利用制限
2021年10月以後の設計検査申請分より、土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)内で新築住宅を建設または購入する場合、フラット35Sが利用できなくなりました。この制度変更は、近年の頻発・激甚化する自然災害を踏まえた防災の観点から、建築規制のかかる地域における住宅建設を抑制するために行われました。
フラット35Sの利用可否の判断基準
対象となるのは土砂災害特別警戒区域内のレッドゾーン内の新築に限られます。具体的には新築住宅(建売)と注文住宅で建築の2つが要件となっており、中古住宅は含まれません。
土砂災害特別警戒区域の外に建物が建つ場合は、フラット35Sが利用可能です。敷地にかかっていても建物にかかっていなければフラット35Sが利用できます。一方、住宅全体がレッドゾーン内に含まれている場合はもちろん、住宅の一部がレッドゾーン内に含まれる場合も、フラット35Sが利用できません。
判断時期は住宅の着工時点
レッドゾーンと住宅の位置関係についての判断は、住宅の着工時点において行われます。着工時点でその住宅の所在地がレッドゾーン内にある場合はフラット35Sの利用はできませんが、着工後にレッドゾーンに指定された場合は、フラット35Sを利用できます。
なお、土砂災害特別警戒区域のレッドゾーンに建物がかかっていても、通常のフラット35は今まで通り利用できます。利用できなくなったのはフラット35Sのみです。
住宅ローン減税との関係
今回の税制改正が実現すれば、フラット35Sに加えて住宅ローン減税も適用除外となり、レッドゾーンでの住宅建設抑制がさらに強化されることになります。住宅購入を検討している方は、購入予定地がレッドゾーンに該当しないかを事前に確認することが重要です。
住宅ローン減税の申請手続きと必要書類
住宅ローン減税を受けるためには、初年度に確定申告を行う必要があります。ここでは、申請手続きの流れと必要書類について解説します。
初年度は確定申告が必要
控除を受ける最初の年(1年目)の分は、会社員・個人事業主ともに確定申告が必要です。会社員の方は通常、勤務先が年末調整を行うため自分で確定申告をすることはありませんが、住宅ローン控除の初年度だけは確定申告が必要となります。翌年以降(2年目以降)は、勤務先の年末調整で自動的に控除が継続されます。
2025年の確定申告期間
2025年の確定申告の申告期間は、2月17日から3月17日までです。ただし、住宅ローン控除は税金が戻ってくる還付申告にあたるため、申告対象期間の翌年1月1日から受付が開始され、5年以内であれば申告ができます。
初年度の確定申告に必要な書類一覧
確定申告には複数の書類が必要となります。不動産売買契約書と住宅の区分に応じた証明書類は、住宅の引き渡し時に不動産会社から受け取ります。住宅ローンの年末残高等証明書は、10月中旬頃に住宅ローンを組んだ金融機関から郵送で届きます。建物・土地の登記事項証明書は法務局で取得でき、オンラインによる交付請求も可能です。源泉徴収票は年が明けて1月中旬に勤務先から発行されます。本人確認書類としてはマイナンバーカードや運転免許証のコピーが必要で、マイナンバーカードがあれば単体で個人番号と本人確認の両方が可能です。
2024年〜2025年に新築住宅に入居する場合は、省エネ基準を満たしている証明書として、「2024年12月31日以前に建築確認を受けたことを証する確認済証又は検査済証の写し」の提出が必要となります。
申告書の提出方法
申告書の提出方法は、「e-Taxで提出」「郵送で提出」「税務署に持参して提出」の3通りあります。計算明細書と申告書は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」で作成できます。e-Taxはパソコンやスマートフォンを使用して24時間いつでも利用できる電子申告システムで、1月上旬から申告が可能です。納税まで一括して行えるほか、還付までの時間が短い傾向にあることもメリットとなっています。
不動産取引における災害区域の重要事項説明
不動産取引を行う際には、災害区域に関する説明を受けることが法律で定められています。
宅建業者に義務付けられた説明事項
不動産取引(売買・交換・賃借)においては、宅地建物取引業者は対象物件が各種災害区域内である旨を記載した重要事項説明書を交付し、説明を行わなければなりません。これは宅建業法第35条第1項第14号に基づく義務です。
説明が必要な災害区域には、災害危険区域、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域、津波災害警戒区域、津波災害特別警戒区域が含まれます。
違反した場合の罰則
建築基準法第106条に基づき、地方公共団体が条例で災害危険区域に指定した地区において建築物の建築の禁止及び建築に関する制限を違反した者に対し、50万円以下の罰金に処する旨の罰則を設けることができます。2025年12月現在、「防災危険区域指定条例」に罰則を設けている自治体は35府県と28市町村となっています。
居住誘導区域との関係
津波災害特別警戒区域は、原則として居住誘導区域には含めないこととされており、また津波災害警戒区域も居住を誘導することが適切でないと判断された場合には、同様に居住誘導区域から除外されます。この結果、居住誘導区域内の不動産は価格が維持されやすい一方で、区域外の不動産は価値が下がる傾向にあります。
中古住宅における住宅ローン減税の適用条件
中古住宅を購入した場合でも住宅ローン控除が適用されますが、新築住宅とは異なる要件があります。
中古住宅の築年数要件
既存住宅の築年数要件については、以前は耐火住宅25年以内、非耐火住宅20年以内とされていましたが、現在は「昭和57年以後に建築された住宅」(新耐震基準適合住宅)に緩和されました。つまり、1982年(昭和57年)以降に建築された住宅であることが要件となっています。
昭和56年12月31日以前に建築された住宅を取得する場合は、耐震基準を満たしていることを証明する書類の提出が必要です。築年数が昭和56年12月31日以前に建築された中古物件を購入した場合でも、耐震基準適合証明書等の書類を用意することで住宅ローン控除の適用を受けられます。
中古住宅の控除期間と借入限度額
住宅ローンの控除期間は新築住宅が13年であるのに対し、中古住宅は10年となっています。控除率は新築住宅と同様に0.7%です。
中古住宅の借入限度額(2024年・2025年入居)は、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅いずれも3,000万円、その他の住宅は2,000万円となっています。
中古住宅で控除を受けるための主な条件
中古住宅で住宅ローン控除を受けるためには、適用対象者の所得要件として合計所得金額が2,000万円以下であること、新築または取得の日から6か月以内に入居すること、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること、住宅の床面積が50平方メートル以上であることが条件となります。
リフォーム・増改築でも住宅ローン減税が受けられる
住宅のリフォームや増改築を行う場合でも、一定の条件を満たせば住宅ローン減税を受けることができます。
リフォームで控除を受けるための基本要件
リフォームで住宅ローン控除を受けるためには、自分が所有する自宅で、かつ自身が居住する家屋のリフォームであること、住宅の増改築等の日から6か月以内に居住していること、住宅ローン控除を受ける年の所得が2,000万円以下であること、工事後の住宅の床面積が50平方メートル以上であること、金融機関等のローンを利用していて借入金の返済期間が10年以上であること、リフォーム(リノベーション)の工事費用が100万円以上であること、リフォーム(リノベーション)の工事費用の1/2以上が居住用部分に対する費用であること、増改築等工事証明書などの発行で工事を証明できることが条件となります。
リフォームの控除内容
10年以上の償還期間がある住宅ローンを利用して一定の増改築等を行った場合、毎年の住宅ローン残高(限度額:2,000万円)の0.7%に相当する額を最大10年間、所得税から控除することができます。所得税から控除しきれない場合、翌年の住民税からも一部控除されます(最大9.75万円/年)。
リフォームで住宅ローン減税を受ける場合の控除額は「年末時点のローン残高×0.7%」で計算され、年間控除額の上限は14万円、10年間で最大140万円の控除が受けられます。
対象となるリフォーム工事の種類
リフォーム工事の内容として、増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替えが対象となります。また、床、階段または壁の半分以上をリフォームする場合や、リビング、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関・廊下の一室の床の工事、または壁全部のリフォームも対象に含まれます。
リフォームの住宅ローン減税の適用期間は令和4年1月1日から令和7年12月31日までとなっています。注意点として、リフォーム促進税制(所得税)と住宅ローン減税の併用はできません。また、住宅のリフォームについて住宅ローン減税等の特例措置の適用を受けるためには、増改築等工事証明書を用意する必要があります。
住宅購入前に確認すべきポイントと今後の見通し
住宅購入を検討している方は、税制改正の動向を注視しながら、購入予定地の災害リスクを事前に確認することが重要です。
2026年度税制改正の今後の動向
2025年12月現在、ハザードエリアの住宅を住宅ローン減税の対象外とする措置は「検討中」の段階であり、まだ正式に決定されていません。2026年度税制改正大綱は2025年12月中旬頃に公表される予定で、詳細が明らかになります。
住宅購入者が注意すべき点
今後、ハザードエリアでの住宅購入を検討している方は、購入予定地がレッドゾーン等の危険区域に該当しないかを事前に確認すること、ハザードマップポータルサイトや市区町村の窓口で最新情報を入手すること、不動産会社から重要事項説明をしっかり受けること、フラット35Sの利用可否についても確認することが重要です。
既存住宅への影響について
今回検討されている適用除外は、主に新築住宅を対象としていると考えられます。既存住宅(中古住宅)については、現時点では直接的な影響は少ないと思われますが、今後の税制改正の詳細な内容を確認する必要があります。
資産価値への影響
ハザードエリアに指定された地域では、住宅ローン減税の適用除外やフラット35Sの利用制限により、住宅の購入需要が減少し、資産価値が下落する可能性があります。住宅の売却を検討している方も、この点を考慮に入れる必要があります。
住宅の購入は人生における大きな決断です。税制優遇だけでなく、安全性も十分に考慮した上で、慎重に検討することをお勧めします。最新の制度内容については、国土交通省や国税庁のホームページなどでご確認ください。









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