注文住宅の購入を検討している方が気になる「住宅ローン控除は2026年以降どうなるのか」という疑問に対して、結論からお伝えすると、現行制度は2025年末までの入居が対象ですが、50年以上続いてきた制度が完全に廃止される可能性は低く、2026年以降も何らかの形で継続される見通しです。2025年8月26日に国土交通省が公表した「令和8年度税制改正要望事項」でも、住宅ローン減税の延長が検討されていることが示されています。ただし、延長されたとしても現行制度がそのまま維持されるわけではなく、省エネ性能の高い住宅への絞り込みや控除率・借入限度額の縮小といった変更が予想されます。特に注文住宅は土地探しから入居まで9か月から2年程度かかるため、制度改正のタイミングと入居時期を慎重に見極めることが重要です。この記事では、住宅ローン控除の現行制度の詳細から2026年以降の見通し、注文住宅を建てる際に知っておくべき注意点、そして最大限に控除を活用するための具体的な方法まで、包括的に解説していきます。

住宅ローン控除とは何か?制度の基本を理解する
住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」であり、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税が軽減される制度です。2022年以降に新築住宅に入居した場合、控除率は一律0.7%、控除期間は原則13年間(既存住宅は10年間)となっています。
住宅ローン控除の計算方法と控除額の仕組み
住宅ローン控除の金額は、年末時点の住宅ローン残高に控除率0.7%を乗じて計算されます。例えば、年末時点の住宅ローン残高が3,000万円であれば、3,000万円×0.7%=21万円が所得税から控除されることになります。所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一定額まで控除を受けることができます。
住民税からの控除には上限が設けられており、所得税の課税所得の5%、最大9.75万円となっています。具体例として、年収500万円の方の所得税が9万円、住民税が19万円だった場合を考えてみましょう。この場合、住宅ローン控除の対象となる税金は「所得税9万円+住民税9.75万円」で計18.75万円となります。控除額が所得税額を超えたとしても、住民税から控除される金額は最大9.75万円であることを覚えておく必要があります。
控除率が0.7%に引き下げられた背景
以前の住宅ローン控除は控除率が1%でしたが、2022年度の税制改正により0.7%に引き下げられました。この改正が行われた背景には、住宅ローンの金利が低下したことで「ローン金利よりも控除率の方が高い」という逆ざや状態が生じていたことがあります。つまり、住宅ローンを借りた方が得をするという不公平な状態が発生していたのです。控除率の引き下げにより、この問題が是正されました。
住宅ローン控除を受けるための基本要件
住宅ローン控除を受けるためには、所得要件、住宅の要件、入居要件、借入金の要件という4つの要件を満たす必要があります。
所得要件と住宅の床面積要件
所得要件として、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であることが求められます。住宅の要件としては、登記簿上の床面積が50平方メートル以上であること、そして床面積の2分の1以上が自己の居住用であることが必要です。
ただし、床面積要件には緩和措置があります。2025年(令和7年)12月31日までに建築確認を受けた新築住宅で、合計所得金額が1,000万円以下の世帯の場合は、床面積要件が40平方メートル以上に緩和されています。
入居要件と借入金の要件
入居要件として重要なのは、引渡日または工事完了から6か月以内に入居していることです。さらに、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで、その住居に引き続き住んでいる必要があります。借入金の要件としては、返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいることが条件となっています。
2025年の住宅ローン控除制度における借入限度額
2025年の住宅ローン控除では、住宅の省エネ性能によって借入限度額が大きく異なります。この借入限度額の違いを理解することは、住宅ローン控除を最大限に活用する上で非常に重要です。
子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額
子育て世帯・若者夫婦世帯が2025年(令和7年)に新築住宅に入居する場合の借入限度額は、住宅の種類によって異なります。認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)の場合は5,000万円が上限となります。ZEH水準省エネ住宅の場合は4,500万円、省エネ基準適合住宅の場合は4,000万円が上限です。
子育て世帯とは、年齢19歳未満の扶養親族を有する者を指します。若者夫婦世帯とは、年齢40歳未満であって配偶者を有する者、または年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者を指します。これらの判定は、入居した年の12月31日時点の現況によって行われます。
一般世帯の借入限度額
一般世帯の場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯に比べて借入限度額が低く設定されています。認定住宅が4,500万円、ZEH水準省エネ住宅が3,500万円、省エネ基準適合住宅が3,000万円となっています。
最大控除額はいくらになるのか
子育て世帯・若者夫婦世帯が認定長期優良住宅・認定低炭素住宅を新築した場合の最大控除額を計算すると、借入限度額5,000万円×控除率0.7%×控除期間13年間=455万円となります。これは住宅取得の際の非常に大きな経済的メリットといえます。
住宅の省エネ性能と住宅ローン控除の関係
2024年・2025年に新築住宅に入居する場合、省エネ基準への適合が住宅ローン控除を受けるための重要な要件となっています。
省エネ基準適合の必須化
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、原則として住宅ローン控除を受けるために省エネ基準に適合する必要があります。つまり、省エネ性能を持たない「その他の住宅」では、原則として住宅ローン控除を受けられなくなっています。ただし、2023年までに新築の建築確認を受けた住宅においては、借入限度額2,000万円、控除期間10年間で控除を受けることができます。
認定長期優良住宅と認定低炭素住宅の違い
認定長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅として、所管行政庁の認定を受けたものです。耐震性、省エネルギー性、劣化対策、維持管理・更新の容易性などの基準を満たす必要があります。
認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物として、所管行政庁の認定を受けたものです。省エネ基準よりも一次エネルギー消費量が10%以上低いことなどが求められます。
ZEH水準省エネ住宅と省エネ基準適合住宅
ZEH水準省エネ住宅とは、日本住宅性能表示基準における断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の性能を有する住宅です。住宅ローン控除の制度上の「ZEH水準省エネ住宅」は、創エネの部分について求められていません。つまり、省エネ性能がZEH水準であることのみが求められており、必ずしも太陽光パネルを設置するなど再生可能エネルギーの導入は必要ありません。
省エネ基準適合住宅とは、日本住宅性能表示基準における断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅です。
2026年以降の住宅ローン控除はどうなるのか
多くの方が気にしている「2026年以降の住宅ローン控除」について、現時点でわかっていることと今後の見通しを詳しく解説します。
現行制度の期限と制度継続の可能性
現行の住宅ローン控除制度は、2025年末(令和7年12月31日)までの入居を対象としています。つまり、2026年1月以降に入居する場合、現行制度のままでは税制優遇を受けられないことになります。
しかし、住宅ローン控除は改正を重ねながら50年以上続いている制度です。過去の経緯を振り返ると、もともと住宅ローン控除は2021年末で終了予定でしたが、2022年の税制改正により2025年末まで延長されました。このような歴史的経緯から、2025年末で完全に終了する可能性は低いと考えられています。
国土交通省の税制改正要望から見える方向性
2025年8月26日に国土交通省から公表された「令和8年度税制改正要望事項」では、住宅ローン減税や固定資産税の軽減措置、認定長期優良住宅の減税など、住宅取得者の金銭的負担を直接軽減する施策が、すべて延長の方向で検討されています。これは、政府としても住宅取得支援を継続する意向があることを示しています。
2026年以降に予想される制度変更
ただし、注意すべきは「延長=現行のまま」ではない点です。これまでの改正では、控除率や借入限度額の縮小、省エネ基準の強化など、制度内容の見直しが繰り返されてきました。2022年以降の傾向を見ると、長期優良住宅やZEH住宅に手厚い控除が与えられる一方、一般住宅は期間短縮・借入限度額も縮小されています。これはGX(グリーントランスフォーメーション)やカーボンニュートラル推進政策と連動しています。
2026年以降に予想される変更点として、まず環境性能住宅への絞り込みがあります。省エネ基準を満たさない住宅への控除がさらに厳しくなる可能性があります。次に所得制限の厳格化も考えられます。現行の合計所得金額2,000万円以下という要件が、さらに引き下げられる可能性があります。さらに控除率や借入限度額の縮小も予想されます。財政状況を考慮し、控除のメリットが小さくなる可能性があります。
正式発表はいつ行われるのか
2026年以降の住宅ローン控除の方向性が最初に見えるのは、原則として2025年12月と考えるのが妥当です。翌年度の税制の大枠は毎年12月に与党の「税制改正大綱」で示され、続いて政府の「税制改正の大綱」が閣議決定されるのが通例です。税制改正大綱が公表されるのは、例年12月15日前後です。2026年度税制改正大綱は、2025年12月15日ごろに公表され、翌年4月までに改正法案が成立する見込みです。なお、2025年10月末時点において、2026年以降の住宅ローン控除に関する公式発表はまだありません。
注文住宅の全体スケジュールと入居時期の重要性
注文住宅を検討している方にとって、スケジュール管理は住宅ローン控除を最大限活用するための重要なポイントです。
注文住宅の完成までにかかる期間
注文住宅は建売住宅と異なり、完成までに長期間を要します。全体の期間は、土地探しから始める場合は9か月から2年、土地契約後からは8か月から1年半程度が目安です。
土地探しには1か月から6か月程度かかります。希望のエリアや条件によっては、さらに長期化することもあります。建築会社探しには1か月から6か月程度かかり、複数の会社を比較検討して信頼できるパートナーを見つけることが重要です。土地の取得には1か月から3か月程度かかり、契約から決済、所有権移転登記までの期間となります。プランの決定には2か月から4か月程度かかり、設計士との打ち合わせを重ねて間取りや仕様を決定します。
建築確認申請と建築工事の期間
建築確認申請には2か月前後かかります。以前は2週間から1か月程度で建築確認済証が発行されていましたが、法改正により2025年から手続きに時間がかかるようになりました。建築工事には4か月から6か月程度かかり、天候や職人の手配状況によってはさらに延びることもあります。完成検査と引き渡し準備には1か月前後かかり、竣工検査、是正工事、各種設備の動作確認、清掃、書類準備などを行います。
入居時期が住宅ローン控除の判定基準となる理由
住宅ローン控除は「入居年」が判定の基準となります。契約日や着工日ではなく、実際に入居した日が重要です。住宅ローン控除の適用を受けるには、現行制度では2025年(令和7年)12月31日までに、実際に居住を開始しなければなりません。
2025年入居を目指す場合のスケジュール
2025年12月31日までに入居して現行制度の適用を受けたい場合、逆算してスケジュールを立てる必要があります。引き渡しを2025年11月頃と設定すると、建築工事開始が2025年5月から6月頃、建築確認申請が2025年3月から4月頃、プラン決定が2025年1月から2月頃となります。
つまり、2025年入居を目指すなら、既にプラン決定の段階に入っている必要があります。土地探しや建築会社選びがまだの方は、2026年以降の入居を視野に入れた計画を立てることをお勧めします。
建築確認のタイミングと省エネ基準の関係
建築確認のタイミングは、住宅ローン控除を受けられるかどうかに大きく影響します。
省エネ基準を満たさない住宅の場合の条件
省エネ基準に適合しない住宅の場合、控除を受けるには、2023年12月31日までに建築確認を受けており、2024年6月30日までに建築されていることが条件となっています。2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準適合住宅以上の性能がなければ、住宅ローン控除の対象外となります。
竣工から引き渡しまでの流れ
竣工から引き渡しまでの流れは、竣工検査、是正工事、各種設備の動作確認、清掃、各種書類の準備、最終確認、引き渡しとなります。この一連の流れには、通常1週間から1か月程度の期間がかかります。竣工検査の日程は、引き渡し(代金決済)の2週間以上前の設定が理想的です。施主検査で指摘した不具合を直してもらう日数を確保するために、遅くとも1週間前の実施が望ましいとされています。
注文住宅の費用支払いタイミングと住宅ローンの実行時期
注文住宅の費用支払いは、建売住宅とは異なり複数回に分けて行われます。
4回に分けた支払いの流れ
注文住宅の費用の支払いは、一般的に4回に分けて行います。1回目は契約時で、手付金として支払います。2回目は着工時で、工事着手金として支払います。3回目は上棟時で、中間金として支払います。4回目は引き渡し時で、残金を支払います。
住宅ローンの実行は通常、引き渡し時となります。それまでの支払いは、自己資金やつなぎ融資で対応することになります。
2026年以降の入居を計画する場合の具体的な対策
2026年以降に入居を予定している方に向けて、制度改正に備えた対策を解説します。
省エネ性能の高い住宅を建てるメリット
2026年以降の制度改正で確実に言えることは、省エネ性能の高い住宅ほど優遇される傾向が続くということです。現時点で計画を始める方は、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅など、高い省エネ性能を持つ住宅を目指すことをお勧めします。これにより、制度改正後も有利な条件で控除を受けられる可能性が高まります。
税制改正大綱の発表を待つという選択肢
2025年12月15日前後に発表される税制改正大綱で、2026年以降の制度内容が明らかになります。注文住宅の場合、プランの変更や工期の調整が可能な段階であれば、税制改正大綱の発表を待ってから最終決定するという選択肢もあります。
複数のシナリオを想定した計画立案
2026年以降の制度について、複数のシナリオを想定しておくことが重要です。
シナリオ1は、現行制度がほぼそのまま延長されるケースです。この場合、入居時期にこだわる必要性は低くなります。シナリオ2は、制度は継続するが控除率や借入限度額が縮小されるケースです。この場合、省エネ性能の高い住宅を建てることで、縮小の影響を最小限に抑えられます。シナリオ3は、省エネ性能の高い住宅のみが対象となるケースです。この場合、認定住宅やZEH水準住宅を建てることが必須となります。
住宅ローン控除以外に活用できる税制優遇制度
住宅ローン控除以外にも、住宅取得に関する税制優遇制度があります。
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
住宅取得等資金の贈与税の非課税措置は、親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定額まで非課税となる制度です。住宅ローン控除と併用することで、より大きな経済的メリットを得ることができます。
固定資産税・登録免許税・不動産取得税の軽減措置
固定資産税の軽減措置は、新築住宅の場合、一定期間固定資産税が軽減される制度です。登録免許税の軽減措置は、住宅の所有権保存登記や移転登記にかかる登録免許税が軽減される制度です。不動産取得税の軽減措置は、住宅を取得した際にかかる不動産取得税が軽減される制度です。これらの制度も合わせて活用することで、住宅取得の負担を軽減できます。
子育てグリーン住宅支援事業の補助金
子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯を対象に、新築住宅(長期優良住宅またはZEH水準住宅)新築時に最大100万円の補助金が交付される制度です。地方自治体独自の補助金制度も多くありますので、お住まいの地域で利用できる制度がないか確認することをお勧めします。
住宅ローン控除の申請手続きを完全解説
住宅ローン控除を受けるためには、適切な手続きが必要です。1年目と2年目以降で手続き方法が異なることを理解しておきましょう。
1年目は確定申告が必須
給与所得以外の収入がない会社員が住宅ローン控除を受けるには、1年目は自身で確定申告をしなければなりません。年末調整で控除が受けられるのは住宅ローンを組んで入居した2年目以降からです。
1年目の確定申告に必要な書類
控除を受ける最初の年(1年目)の確定申告では、複数の書類が必要です。確定申告書は国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。銀行口座がわかるもの(還付金の振込先)、マイナンバーカード(もしくはマイナンバーを確認できる書類と身元確認書類)が必要です。
住宅取得に関する書類として、売買契約書の写しや工事請負契約書の写しなど、家屋の取得対価の額を明らかにする書類が必要です。住宅ローンに関する書類として、金融機関から発行される住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書が必要です。省エネ性能に関する書類として、ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の場合は住宅省エネルギー性能証明書等が必要です。
中古住宅の場合は、耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に関する付保証明書なども必要になります。
2年目以降の年末調整に必要な書類
会社員の場合、2年目以降は年末調整の手続きを行うことで、住宅ローン控除を受けられます。必要な書類は2点です。1点目は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」です。初年度に確定申告を行うと、その年の10月頃に税務署から控除期間分の書類がまとめて送付されますので、紛失しないよう注意が必要です。2点目は「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」です。11月下旬頃に金融機関から送付されます。
確定申告の時期と還付金の入金時期
確定申告の申告期間は原則、申告対象期間の翌年2月16日から3月15日までです。ただし、住宅ローン控除は税金が戻ってくる還付申告にあたるため、申告対象期間の翌年1月1日から受付が開始され、5年以内であれば申告ができます。申告書の提出方法は「e-Taxで提出」「郵送で提出」「税務署に持参して提出」の3通りがあります。
還付金の入金時期は、確定申告の期間中に申告した場合、申告日からおおむね1か月から1か月半程度で指定の口座に振り込まれます。e-Tax(電子申告)で提出した場合は、3週間程度で振り込まれます。年末調整の場合、住宅ローン控除は年末調整の計算が行われる12月の給与で反映されるのが一般的です。
申告を忘れた場合の対処法
年末調整でも確定申告でも住宅ローン控除を申請しなかった場合、その年分の控除は一度失効します。しかし、申告期限を過ぎても5年以内であれば「還付申告」として手続きを行うことで、控除を受けることが可能です。控除を受け忘れていた年があれば、早めに手続きを行いましょう。
住宅ローン控除を最大限活用するための実践的ポイント
住宅ローン控除の効果を最大化するために、知っておくべきポイントを解説します。
適切な借入額の設定が重要
住宅ローン控除を最大限活用するには、借入額の設定が重要です。控除額は「年末残高×0.7%」で計算されますが、借入限度額を超える部分は控除の対象外となります。例えば、ZEH水準省エネ住宅で借入限度額が4,500万円の場合、5,000万円借りても控除対象は4,500万円までです。また、自身の所得税・住民税の納税額も考慮する必要があります。控除額が納税額を上回る場合、上回った分は控除されません。
繰り上げ返済のタイミングを考える
繰り上げ返済を行うと住宅ローン残高が減少し、翌年以降の控除額も減少します。住宅ローン控除期間中は、繰り上げ返済を急がず、控除期間終了後に積極的に行うという選択肢もあります。ただし、これは金利負担との比較で判断する必要があります。
共有名義の活用による控除額の増加
夫婦でそれぞれ住宅ローンを組む場合(ペアローンなど)、それぞれが住宅ローン控除を受けられます。ただし、共有名義にする場合は、持分割合の設定や将来のリスク(離婚時の財産分与など)も考慮する必要があります。
省エネ性能の証明書類を確実に準備する
省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅として控除を受けるには、住宅省エネルギー性能証明書等の書類が必要です。建築会社に依頼して、必要な証明書を確実に取得しておきましょう。
住宅ローン控除に関するよくある質問
住宅ローン控除について多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
2026年以降に住宅ローン控除はなくなるのか
2025年12月1日現在、2026年以降の制度について正式な発表はありません。ただし、住宅ローン控除は50年以上続いている制度であり、完全に廃止される可能性は低いと考えられています。2025年12月の税制改正大綱で詳細が明らかになる見込みです。
注文住宅で2025年入居は今からでも間に合うか
注文住宅は土地探しから入居まで9か月から2年程度かかります。2025年12月31日までの入居を目指すなら、既にプラン決定の段階に入っている必要があります。今から土地探しを始める方は、2026年以降の入居を視野に入れることをお勧めします。
省エネ基準を満たさない住宅でも控除は受けられるか
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準適合住宅以上の性能がなければ、原則として住宅ローン控除の対象外です。ただし、2023年12月31日までに建築確認を受け、2024年6月30日までに建築された住宅は、借入限度額2,000万円、控除期間10年間で控除を受けられます。
確定申告は毎年必要なのか
会社員の場合、確定申告が必要なのは住宅ローン控除を受ける1年目のみです。2年目以降は年末調整で控除を受けられます。
住宅ローンの借り換えをした場合、控除は継続できるか
一定の要件を満たせば、借り換え後も住宅ローン控除を継続できます。ただし、控除期間は当初のローン開始時から計算されるため、借り換えによって延長されることはありません。
中古住宅でも住宅ローン控除は受けられるか
中古住宅でも住宅ローン控除を受けられます。ただし、控除期間は10年間となり、新築よりも短くなります。また、耐震基準などの要件を満たす必要があります。
単身者でも住宅ローン控除は受けられるか
単身者でも住宅ローン控除を受けられます。子育て世帯・若者夫婦世帯に比べて借入限度額は低くなりますが、制度自体は利用可能です。
まとめ:注文住宅と住宅ローン控除、2026年以降に向けた賢い選択
住宅ローン控除は、注文住宅を建てる際に非常に重要な制度です。現行制度は2025年末までの入居が対象ですが、2026年以降も何らかの形で制度が継続される可能性が高いと考えられています。
ただし、今後は省エネ性能の高い住宅への絞り込みが進むと予想されます。注文住宅を検討している方は、認定長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅など、省エネ性能の高い住宅を目指すことをお勧めします。
また、注文住宅は完成までに長期間を要するため、入居時期と制度改正のタイミングを慎重に見極める必要があります。2025年12月の税制改正大綱の発表を待ち、最新情報を確認しながら計画を進めていくことが重要です。
住宅は人生で最も大きな買い物の一つです。住宅ローン控除をはじめとする各種制度を上手に活用し、賢い住宅取得を実現してください。









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